Centre People

春はやっぱり桜が見たい! ドイツ桜の名所11選

春が近づいてくると、日本にいてもドイツにいても桜が見たくなる。そんな季節に先駆けて、八重桜やサクランボのなる木から、おなじみのソメイヨシノまで、ドイツで桜が咲くさまざまな場所へと読者の皆さんをご案内する。春の日差しの下、満開の桜を見にドイツの桜スポットへと出かけてみてはいかがだろうか? (文:ドイツニュースダイジェスト編集部)

参考:本誌1166号「ドイツ桜の名所10選」、JAPANDIGEST「Kirschblüte in deutschen Städten: Die 10 schönsten Hanami-Spots in Deutschland」Berlin.de「Kirschblüten in Berlin」、GEO「Elf Orte in Deutschland, um die Kirschblüte in voller Pracht zu erleben」Urlaubstracker「Kirschblüte in Deutschland: Top 10 der schönsten Orte für Hanami」

ドイツ桜マップ

1

ベルリン
テレビ朝日さくら平和通り

TV-Asahi-Kirschblütenallee
Marienfelder Anger 38, 14513 Teltow

テレビ朝日さくら平和通り

壁跡地に植えられた平和を願う桜並木

ベルリンの壁が崩壊してから35年以上が経過した現在、かつて東西ドイツがにらみ合ったベルリンの壁跡地では毎年9000本以上の桜が咲き誇る。その発端となったのは、1990年に日本のテレビ朝日が行った「桜植樹キャンペーン」だ。壁の崩壊直後、テレビ朝日による「ベルリン市民の心の安らぎと平和を願って、壁跡地に桜の植樹をしよう」という呼びかけのもと、視聴者約2万人からおよそ1億4000万円もの募金が集まったという。そうしてベルリン各地に桜の植樹が始まったが、なかでも有名なのはベルリンの南、テルトウ地区との境界の壁跡地にある、およそ4キロにわたって植えられた約1100本の桜だ。このエリアには「テレビ朝日さくら平和通り」と名付けられた道が存在し、そこで毎年春に桜祭りが開催される。日本文化が披露されるステージや日本食、また地元のアーティストによる演目なども楽しめる。

ベルリンの壁跡地が桜並木になるまで

壁の崩壊直後にテレビ朝日の呼びかけで始まった「桜植樹キャンペーン」。多くの人からの寄付が集まる一方で、壁跡地に桜を植えるには、いくつものクリアしなければいけない問題があったという。まず、崩壊したばかりのベルリンの壁跡地の所有者が誰なのかがはっきりしていなかった。また旧西ベルリンとブランデンブルク州のテルトウ地区の境界線一帯には、西ベルリンへの逃亡者を見逃さないよう、見通しを良くするために大量の除草剤がまかれていた。草一本生えないこの一帯は「死の帯」と呼ばれ、土壌がひどく汚染されていたのだ。ほかにも、冬になると野生のウサギが桜の苗木の樹皮をかじってしまうなど、桜の木を長期的に管理・育成できる環境を整えることが必須だった。

ベルリン、グリーニッケ橋の桜かつて東西ドイツのスパイの交換が行われていたグリーニッケ橋のたもとに咲く桜

テレビ朝日の担当者がベルリン市とポツダム市の緑地課と何度も話し合いを重ねた結果、ついに1990年11月、グリーニッケ橋のたもとに最初の2本が植えられた。ここは、東西冷戦時代に両陣営がスパイを交換する場所として知られていた。その後も壁の跡地や公園、幼稚園、学校、墓地などの公共地へと桜の植樹が続く。さらに日本の募金運動に感動した市当局が、市の財産として桜を受け取り、管理・維持費を負担することも決まった。

そして2010年11月9日、ベルリンの壁が最初に開かれた「ボーンホルマー通り」に最後の1本が植えられ、20年にわたるキャンペーンは幕を閉じた。2011年の東日本大震災の後には、ベルリン各所の桜には献花やろうそく、追悼の手紙などが添えられていたこともあったという。壁崩壊をきっかけに生まれたベルリンの桜景色は、今も人々の思いをつなぎながら美しく咲き続けている。

桜植樹の記念碑ベルリンの壁が崩壊当時、最初に開いた国境があった場所のベーゼ橋下には、美しい桜並木とともに桜植樹の記念碑も設置されている

2

ライプツィヒ
グラッシィ博物館の桜

Grassi Museum
Johannisplatz 5–11, 04103 Leipzig
www.grassimuseum.de

テグラッシィ博物館の桜

たわわな花びらに手が届きそう

ライプツィヒの中心部、アウグストゥス広場の近くにあるグラッシィ博物館前では、毎年春になると見事な八重桜が咲き誇る。緑の芝を囲むように桜の木が植えられており、晴れた日には赤茶色の博物館の建物にピンクの桜が映えて美しい。八重桜が満開になると、その重さで枝が垂れ下がってくるため、たわわな花々を間近で眺めることができる。日なたぼっこをしたり、ピクニックをしたり、写真を撮ったりと、春の訪れを満喫できるドイツ有数の桜スポットだ。

3

マクデブルク
ホルツ通りの桜

Holzweg, 39128 Magdeburg

ホルツ通りの桜

数百メートル続く圧巻の桜並木

マクデブルク北部のホルツ通りには、数百メートルも続く桜並木がある。東西ドイツ再統一直後の1993年にオープンした大型ショッピングセンター「フローラパーク」の開店に合わせて、そこへと続く道に日本の桜の木が植えられたのだという。さらに同じ「フローラパーク」という名前の市民公園が隣接しており、そこではさまざまなテーマ別の庭園を楽しむことができる。

4

ハンブルク
アルスター湖周辺の桜

Alster
Jungfernstieg, 20095 Hamburg

アルスター湖周辺の桜

港街に咲く日独友好の印

ドイツ各都市の中でも桜が多いハンブルク。1960年代後半、当時外交官としてハンブルクに暮らしていた橋丸重光はしまるしげみつ氏のアイデアに始まり、ハンブルクの日本人コミュニティーが市民との友好関係に対する感謝の印としてアルスター湖畔に桜を植えた。その後も市内各所への植樹が行われ、現在ではエルベ川河畔やアルスター湖、シュタットパーク、ハーゲンベック動物園、アルトナ区役所前公園などで桜を見ることができる。アルスター湖畔では、毎年5月に桜祭りが開催され、日本食の屋台が出店されるほか、日本の花火の打ち上げ、「桜の女王」の選出など、春の風物詩として市民から愛されている。

5

ハノーファー
広島祈念の杜の桜

Hiroshima-Hain
Janusz-Korczak-Allee, 30173 Hannover

広島祈念の杜の桜

港街に咲く日独友好の印

広島県と姉妹都市であるハノーファー。同市郊外にある「広島祈念の杜」には、広島の原爆投下の犠牲者を追悼し、広島市から贈られた110本の桜の木が植えられている。ここに植えられている桜は、葉と花が一緒に出る種類で、ソメイヨシノや八重桜とは一味違う美しさを楽しめるのがポイント。また桜の木のそばには、観音様が描かれた石碑が立てられている。これは広島の爆心地から200メートル離れた所にあったもので、平和を求める気持ちを込めて、1992年に広島からハノーファーに贈られた。毎年ここで行われる桜祭りは、茶道や折り紙をはじめ、剣道や習字などの日本文化に触れる機会にもなっている。

6

デュッセルドルフ
ホーフガルテンの桜並木

Hofgarten, 40213 Düsseldorf

ホーフガルテンの桜並木

街中をお散歩がてらお花見

デュッセルドルフの街中で気軽に桜を楽しむなら、ホーフガルテンとKö-Bogenの間にある遊歩道がおすすめだ。水辺に沿って並ぶ13本の桜は、日独友好の象徴として2013年に植樹されたソメイヨシノ。散歩がてら眺めるのもよし、広々としたベンチに座ってお花見するのも◎。市内ではほかにもノルトパークに桜があり、満開の時期は日本庭園と合わせて写真を撮りに来る人々でにぎわう。またお隣メアブッシュ市のBüdericher Alleeでは毎年桜祭りが開催され、日本のグルメや文化が楽しめる屋台が並ぶ。2026年は4月26日(日)に開催。

7

ボン
へーア通りの桜並木

Heerstr., 53111 Bonn

ホーフガルテンの桜並木

幻想的な桜のトンネル

ボンの旧市街地にはさまざまな種類の八重桜が植えられており、市庁舎の裏手一帯の通りで3月半ば〜4月半ばにかけて順々に咲いていく。そのフィナーレを飾るのが、4月中旬ごろに咲くへーア通りの桜並木だ。濃いピンク色の八重桜が通り一帯に所狭しと咲き誇り、ボンの街並みにも美しく映える。日差しの中に輝くピンク、夜桜のあでやかなピンクと、時間を変えて眺めるのもおすすめ。通りに並ぶカフェやバーのテラス席で、コーヒーやビールを片手に桜を楽しむのも◎。

8

ミュンヘン
オリンピア公園の桜

Spiridon-Louis-Ring 21, 80809 München

オリンピア公園の桜

姉妹都市・札幌からの美しい贈り物

ミュンヘンで本格的なお花見スポットをお探しなら、オリンピア公園は外せない。1972年の五輪跡地として知られ、姉妹都市である札幌市から寄贈された桜が散策路や湖畔を中心に点在し、やわらかなピンク色が園内を彩る。起伏のある芝生と近未来的なスタジアムの風景を背景に咲く桜は、日本の名所とはひと味違う表情で、写真映えも抜群。日常の散歩の延長で楽しむ桜の風景は、都市と自然、そして異文化が溶け合ったオリンピア公園ならではの春の光景だ。

9

ホーフハイム(フランクフルト近郊)
ウンタートーア広場の桜

Am Untertor, 65719 Hofheim am Taunus

ウンタートーア広場の桜

木組みの家の街に咲くソメイヨシノ

フランクフルト近郊にある小さな街、ホーフハイム。木組みの家が立ち並ぶ素朴でメルヘンチックな街並みを散策しながら訪れたいのが、ウンタートーア広場にあるソメイヨシノだ。すぐ近くには、かつてシナゴーグとしても使われていた城塞の丸い塔が残っており、現在はレストラン「Zum Türmchen」として営業している。ここのテラス席に座って桜を眺めながら、ヘッセン州のりんごワイン「Äbbelwoi」(エッベルヴォイ)を飲むのもおすすめ。さらに桜の木の近くには、小さな赤い鳥居もあるのでチェックしてみて。

10

シュヴェツィンゲン
シュヴェツィンゲン城の庭園

Schloss und Schlossgarten
Schwetzingen Schloss Mittelbau, 68723 Schwetzingen
www.schloss-schwetzingen.de

シュヴェツィンゲン城の庭園

桜色に染まった庭園でお花見

ハイデルベルク近郊のシュヴェツィンゲンでは、毎年4〜6月にかけてSWR シュヴェツィンゲン音楽祭が開催される。音楽祭のメイン会場のロココ劇場があるシュヴェツィンゲン城内の一角にあるのが、桜の木が並ぶ美しい庭園だ。春は庭園全体がピンク色に包まれ、写真を撮ったり散歩をしたりする人や、お弁当を持参してピクニックを楽しむ人々でにぎわう。桜の庭園以外にも、プファルツ選帝侯カール・テオドールが夏の離宮として建設したサーモンピンクの宮殿や、威容ある佇まいのモスクなどを楽しもう。

11

オーヴェン(シュトゥットガルト近郊)
テック城砦の麓の桜

Burg Teck 73277 Owen
www.burg-teck-alb.de

テック城砦の麓の桜

高原地帯で眺める牧歌的な桜の景

シュトゥットガルト近郊のオーヴェンという街にあるお花見スポットは、地元の人に有名なテック城砦の麓にある。標高773メートルの城砦の北西側に、主にサクランボが実る桜の木が植えられており、春には白い花を咲かせる。周辺には芝生も広がっているので、シートを広げてのんびりとお花見をするのも◎。緑の芝生と青空を背景に花が咲き、どこか牧歌的でノスタルジックな風景が美しい。周辺はシュヴァーベン地方のアルプスとも呼ばれる高原地帯なので、春の日差しを浴びながらハイキングをするのもおすすめ。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


最新のeBook
Neuestes e-Book
第1・3水曜日更新
ドイツ最新ニュースから生活情報まで盛りだくさん!今週のeBook
6 März 2026 1259号
脱原発後のドイツと
「核のゴミ」
Nippon Express SWISS 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作
pickup_doitsu