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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

自宅で楽しむオクトーバーフェスト

毎年恒例のお楽しみ、オクトーバーフェストやフォルクスフェストなどのビール祭りは、2020年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止に。イベント自体は中止でもお祭り用の特別なビールは販売されているので、各地のビールを集めて飲み比べつつ、自宅でオクトーバーフェストを開催してみてはいかがだろうか? お気に入りが見つかれば、来年以降訪問するのも良いだろう。

お祭りで提供されるビールは、「フェストビール(お祭りビール)」や「メルツェンビール(3月ビール)」と呼ばれている。冷蔵設備がなかった18世紀から19世紀初頭、バイエルンではビールを仕込む期間は10月から翌年3月までと決められていた。シーズン最後の3月に仕込まれるビールは、暑い時期でも腐敗しないようアルコール度数を高めにし、ホップをたっぷり入れて醸造。元来は褐色で苦みが強いビールなのだが、近年の嗜好の変化から黄金色で軽い口当たりに仕上げているところが多い。

ドナウ川沿いの街、シュトラウビングで開催される「ゴイボーデンフォルクスフェスト」は、8月中旬の11日間で140万人(2019年)が訪問するバイエルン州屈指のビール祭りだ(2020年は中止)。近隣の五つの醸造所が七つのテントを張り、幅広いジャンルの音楽と共に歌って踊って愉快な時間が過ごせる。

このお祭りでテントを出している醸造所の一つがカーメリテン醸造所だ。1367年創設の修道院付属醸造所を起源とし、1897年からは個人醸造所として操業。最新設備を導入する一方、修道院時代からの伝統を大切にしており、昔ながらの製法を守り続け、地域奉仕やエコ活動にも力を入れているという。

「Karmeliten Festbier」は麦芽の香ばしさを感じつつもドライな印象。ホップの苦みが爽快でゴクゴク飲めてしまう。乾いた喉を潤しつつ、お祭り気分が味わえそうだ。

www.karmeliten-brauerei.de/

vol.45
Karmeliten Festbier

Karmeliten Festbier

 
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