ジャパンダイジェスト

旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

スタイリッシュな街、ベルリンのジューシーなNEIPA

クラフトビール業界で近年大人気の「NEIPA」というスタイルのビールをご存じだろうか?読み方は、ニューイングランド アイ・ピー・エー(NewEngland IPA)。イングランド生まれのビールかと思いきや、アメリカ東海岸ニューイングランド地方が発祥の地。2018年に初めて米国のビアスタイルガイドラインに登場したばかりの、比較的新しいスタイルのビールだ。

典型的なアメリカン IPAがホップの苦味と香りが強いのに対し、NEIPAの苦味は中程度でフルーティーな香りとかすみがかった外観が特徴。豊かな果実感は果物を添加しているのではなく、米国やニュージーランド産のフルーティーなホップに由来するもの。ホップの豊かな香りを引き出した革新的なビールなのだ。

ドイツでよく知られるのは、Analog.Bier が造る「Analog. NEIPA」。マンゴーやパッションフルーツを連想させるようなトロピカルな香りと、シルキーでジューシーな味わいはまるでミックスジュースのよう。ビールが苦手という方にもおすすめだ。ついゴクゴクと飲みたくなるが、アルコール度数は7.1%とやや高めなのでご注意を。

このビールを造るAnalog. Bierは、野生酵母や乳酸菌を使用する伝統的なベルリナーヴァイセを専門とする醸造所シュネーオイレと、ライプツィヒのクラフトビール醸造所ヴァイス・エルスターの醸造家がコラボレーションしたブランド。製造は、スコットランドに本社がある醸造所ブリュードッグのベルリン醸造所に委託している。部屋に飾りたくなるスタイリッシュな缶のデザインは、ライプツィヒのアーティストによるものだ。

流行に敏感なベルリンでは国境を越えたビアスタイルの醸造や、醸造所のコラボレーション、アートとの融合が頻繁に行われる。ビールを飲む楽しみをもう一段階アップデートしてくれる1本だ。

www.analogbier.com

vol.62
Analog. NEIPA

Analog. NEIPA

 
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