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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

工業とサッカーの街のプレミアムなビール

ノルトライン=ヴェストファーレン州の代表的都市、ドルトムント。ルール工業地帯の「鉄と石炭の街」として、フェニックス製鉄所やツォレルン炭鉱などの大規模な工業施設を有したこの街は、ドイツの発展を語るに欠かせない。かつて多くの労働者が暮らしたドルトムントには、20世紀初頭にはビール醸造所が120カ所もあったと言われている。さらにはビール造りをいちはやく工業化し、近隣の街々に輸出していた。ドルトムントはミュンヘンに並ぶビールの街であったのだ。

しかし石炭から石油へのエネルギー革命や新興国の登場により、炭鉱や製鉄所は閉鎖され、それに伴いビール醸造所も規模が縮小し、統廃合されて残るは1社のみだ。中央駅前のビルディングに掲げられた金色の巨大な「U」のロゴは、かつてのユニオンブルワリーの醸造施設の名残で、街のシンボルになっている。

現在のドルトムントは産業遺産観光の拠点の街、サッカーの街として熱視線を集めている。香川真司選手も所属するサッカーチーム、ボルシア・ドルトムントは、熱狂的なサポーターが多い。ドイツ最大規模のサッカースタジアム、ジグナル・イドゥナ・パルクや、ドイツサッカー博物館はサッカー好きなら一度は訪れたい。酒場やカフェが軒を並べるマルクト広場は、試合がある日にはクラブカラーである黄色と黒のユニフォームを着たサポーターで大変賑やかだ。

この街のビールと言えば「ドルトムンダー・エクスポート」。下面発酵の淡色ラガービールでピルスナーに似ているが、工業化に伴う長距離の移送に耐えられるよう濃い麦汁エキスで造られる“濃い味”のビールである。日本の大手メーカーが造るプレミアムビールにもこのスタイルのものがある。

しっかりと感じられる麦のうまみとノーブルなホップの香り。自分へのご褒美に飲みたいワンランク上の味わいだ。

vol. 9
DAB Dortmunder Exporte

www.dab-beer.com

Hofbräu Original

 
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