ジャパンダイジェスト

「私の街のレポーター」が推薦!
ドイツ各地のマーケット

寒い冬も終わり、待ちに待った暖かい季節の到来です。外に出かけたくなるこの時期、マーケットに足を運んでみるのはいかがでしょうか?弊誌にてその地域に根付いた情報を紹介している街のレポーターたちが食材マーケットはもちろんのこと、アンティーク市など、バラエティ豊かなおすすめマーケットをピックアップ。その街を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

※日時が変更になる場合もございますので、お出かけの際にはあらかじめご確認ください。

Hannover新鮮な野菜とカプチーノで幸せいっぱいの朝市

ハノーファー
新鮮な野菜が並ぶオーガニックの店
 ハノーファー
作り手の顔が見えるのがうれしい

カフェの良い香りが漂う。オーガニックのシイタケが手に入る。肌にやさしい蜂蜜石鹸が並んでいる。ドイツ人は朝市が大好き。新鮮な野菜や果物、酪農家直送の牛乳や生クリームが手に入るのは朝市ならではで、ハノーファー市内各地では毎週26もの朝市が開かれています。その中でも今回は市南西部にあるリンデンマルクト広場の朝市を紹介します。

リンデン地区はもともとハノーファーとは別の市であり、リンデン市でした。そのため独立心が強く、今でも人々はリンデン市民であることを誇りに思っています。リンデン朝市は当時のリンデン市庁舎(現在のハノーファー市公民館と図書館)前の広場で開かれ、その始まりは1883年にさかのぼります。今年135周年を迎えた、伝統ある朝市です。

毎週火曜日と土曜日の朝8時から午後1時まで開かれており、2900平米の敷地には火曜日は約15、土曜日は約40ものブースが並びます。土曜日はときに満員電車のような混み具合です。ここは出店者からも人気で、出店の権利を手に入れるのが大変だとか。一人当たりの売り上げもほかの場所に比べて高いと噂にききました。ここには農場直送の新鮮な食材を調達しに来る人だけでなく、立ち飲みカフェでカプチーノ片手に近況報告をし合うのが恒例行事となっている人がたくさんいます。買い物をしながらお店の人と話のも楽しいし、朝からシャンパンを飲むのも贅沢気分で良いです。

私もお気に入りの八百屋さんに毎週出かけます。自分の農場で採れたものだけを販売しているので季節感があり、通年ジャガイモや人参、玉ねぎ、卵を買い、季節によって北海道カボチャやキャベツ、カブ、アスパラガス、ネギなども買います。よそから仕入れているわけではないので安心で、何より作り手の顔が見えるのが魅力です。オーナーのおじさんは10年来の私とのあいさつを通じて「こんにちは」「さようなら」「よいお年を」と、日本語で言えるようになりました。

花屋は3軒あり、閉店前にまとめ買いをすると安くなります。季節の花が楽しめますし、何がおすすめなのか相談にものってもらえます。精肉店や鮮魚店もあり、特別に育てた豚肉など朝市でしか買えないものもあります。手作りのアクセサリーやカバンなどおしゃれな雑貨や、ギリシャ直産のオリーブオイルを並べている屋台もあり、見ているだけで楽しいです。オリジナルマスタードを売っている屋台もときどき見かけます。オーガニックの瓶詰めペーストやソースも人気。スープの屋台やソーセージの屋台もあるので、小腹が空いたら一服でき、夏は搾りたてのオレンジジュースを売っている店もあります。

リンデン朝市に来ると、朝市とは食料調達の場というより、交流の場なのだと実感します。人々が思い思いにリラックスできる場所であり、一人で来ても友人と来ても楽しい。いろんな人と気軽に話ができ、ドイツ人の生活の一端を垣間見ることができます。そういう時ふいに、ドイツに住んで良かったなと思ったりします。(Text & Photos:田口理穂)

 
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