近年、ドイツのジャズシーンで、日本人ミュージシャンが際立った活動を続けています。今年4月25日にブレーメンで行われたドイツ・ジャズ賞の授賞式は、その活況を象徴する出来事となりました。
まず、ピアニストの高瀬アキさんが、生涯功績賞に選ばれ、「数十年にわたり、作曲と即興の間を往来し、文化的背景や美的伝統の枠を超えて展開される、独自の音楽言語を体現してきた」と高く評価されました。残念ながら療養中のため、高瀬さんは授賞式を欠席しましたが、大きな意義を持つ受賞でした。
ドイツ・ジャズ賞2026の授賞式にて。左からザイフェルト翔悟さん、レグナー和泉美さん(ゲーテ・インスティトゥート)、松野圭介さん、大田麻佐子さん、齊藤易子さん
また、ミュンヘン在住の大田麻佐子さんがピアノ/キーボード部門でノミネート。太田さんはベルリン芸術大学のピアノ科を卒業後、現在はピアニスト、作曲家、サウンド・パフォーマーとしてジャンルを横断した活動を展開しています。2022年にリリースした、トランペットのマティアス・リンダーマイアーとのデュオアルバム「MMMMH」は、BR-Klassikの年間ベスト10にも選ばれました。
マリンバ奏者の齊藤易子さん
高瀬さんと大田さんが日本で音楽教育を受けてから欧州に渡ったのに対し、ザイフェルト翔悟さんは最初から複数の文化、音楽環境の中で育ちました。1993年にハイデルベルクでドイツ人の父と日本人の母のもとに生まれたザイフェルトさんは、トランペットやピアノを学び、Jazz Institut Berlinでジャズ作曲の修士号を取得。アルバム「Causes of Imagination」が、ドイツ・ジャズ賞2026のデビューアルバム部門にノミネートされました。
さらに、授賞式では、ベルリン在住のギター奏者・松野圭介さんが、受賞バンドのメンバーとして出演。2022年に同賞のギター部門にノミネートされた松野さんは、ポストロック、ノイズ、実験音楽などが混ざり合った独創的なサウンドで、注目を集めています。
ギター奏者の松野圭介さん
ベルリン在住のマリンバ奏者である齊藤易子さんは、2023年にベルリン・ジャズ賞(本誌1198号本コラムで紹介)、2024年にドイツ・ジャズ賞(ドラム/パーカッション部門)を受賞、本年度の審査にも関わっています。齊藤さんは、「私がベルリンに移住した当時は、日本人ジャズミュージシャンは非常に少数でしたが、現在では多くの音楽家がドイツ各地で活躍しており、その広がりと成熟を実感する場ともなりました」と語ります。
「日本人として」というよりも、境界を超えてドイツから世界へ発信する音楽家たち。ホームページ等でぜひ公演情報をチェックしてみてください。



インベスト・イン・ババリア
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中村真人(なかむらまさと) 神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『




