昨年12月、シェーネフェルトに2011年10月末開港予定の新空港の正式名称が、「ベルリン・ブランデンブルク空港」(Berlin Brandenburg Airport)に決まり、さらに愛称として元西ドイツ首相ヴィリー・ブラントの名前が冠せられることになりました。現在は“BBI”の略称が用いられていますが、開港後の空港コードは、シンプルに“BER”となることが見込まれています。
ところで、現在行われているヨーロッパの空港工事の中でも最大と言われるこの新空港の工事現場を、きれいに見渡せるスポットがあるのをご存知でしょうか?先日、その「BBIインフォタワー」に足を運んできました。
Sバーン46号線の終点に近いグリューナウ(Grünau)駅で降り、263番バスに乗ります。この路線、平日は1時間に1本(毎時14分)しか出ていないので、ベルリン交通局(BVG)のHPで事前に調べてから行かれることをお薦めします。バスが住宅地を通り過ぎて森の中に入り、いったいどこまで行くのだろうと不安になり始めた頃、視界が開けて遠くに巨大なクレーンが見えてきます。終点のBBI-Infotowerで降りると、そこは完全に人里離れた場所。特異にねじれた形のインフォタワー以外には何もありません(帰りのバスの時間をチェックするのもお忘れなく)。
未来的なフォルムのインフォタワーは、
毎日10~16時の間オープン
入り口で入場料2ユーロを払って、らせん階段かエレベーターで上ります。32メートルの塔のてっぺんからは、一面雪に覆われた銀世界のすばらしい眺望が楽しめました。塔内に展示されている空港の設計図を頭に入れて眺めると、サッカー場2000個分と言われる広大な敷地にこれから建つ予定のものをより具体的にイメージできるでしょう。クレーンがいくつもそびえる一番大きな工事現場は旅客ターミナル。今年前半には上棟式が行われる段階まで進みます。展望台に設置された双眼鏡らしきものを覗いてみると、そこには見た先の未来映像が広がっていました。タワーの入り口ホールには完成後のシミュレーション映像が流れ、中央駅から電車で空港の地下へ到着し、荷物チェックを受けるところまで想像できました。私が夢見たのは、将来ここから日本への直行便が飛んで、ベルリンとの距離が縮まることです。
素人目には、果たしてこのペースで来年の秋までに完成するのだろうかとも思いましたが、一度はここに来られることをお薦めします。天気の良い日にはテレビ塔方面まで望めるそうですし、何よりベルリンの未来予想図がリアルに感じられるはずです。
建設中の旅客ターミナル。
手前の広大なスペースの地下は鉄道駅になる