ベルリンに空から入る際、テーゲル空港ではなくテンペルホーフ空港を利用したことのある方は果たしてどのくらいいらっしゃるでしょうか。現在、この空港に離着陸する旅客機はわずか4社に過ぎません。長さ1230メートルという世界最大級の建築物であるナチス様式の本館を始め、戦後はあの「ベルリン空輸」の舞台になるなど、ベルリンにある3つの空港の中ではずば抜けた歴史を持つテンペルホーフ空港ですが、累積する赤字と新空港の開港に伴って、2008年10月末で閉鎖されることが決まっています。
空港本館
最近新聞をよく賑わせているのは、空港閉鎖後の跡地をめぐる問題です。何しろ空港の総面積386ヘクタールは、ティーアガルテン(210ヘクタール)がすっぽり収まってしまう広さ。そんな広大な土地が市内中心部に突如出現することになるわけですから、人々の関心の高さも納得できます。
滑走路
現在ベルリン市はインターネット上で、 跡地の利用法について市民の声を募っています。その途中経過が先日の新聞に載っていたので、ここでご紹介しましょう。
まず最も多くの票を集めたのが、「緑地にしてスポーツ、文化、お祭りなどの公共のスペースに」というもの。第2位はいまだに根強い空港続行論。そして第3位は「休暇のレクレーションの場所に」というものでした。ほかには「空港の本館を大学や図書館に再利用する」といったものから、「世界一の高層ビルを建てる」、「2020年にオリンピックが開催された際のオリンピック村に」といった、本気なのか冗談なのかわからない意見までさまざま。「ベルリンの東と西の動物園をここに統合してはどうか」などという提案も寄せられましたが、これは「飛行場としての運営続行と同じくらいチャンスはない」と、新聞では一蹴されていました。
さて、これからどういう展開になるでしょう。今回のオンライン調査を元に、秋にはより具体的に踏み込んだ第2弾が予定されています。詳しくはベルリン市のHP (www.berlin.de/flughafen-tempelhof) にて。