多くの人が休暇中でやや話題に乏しい8月のベルリンですが、今回は夏らしくこんな話題はいかがでしょう。今年で11 回目を迎える国際ビールフェスティバルが先日開催されました。アレクサンダー広場からほど近い、かつて東ドイツが国の威信をかけて造ったカール・マルクス・アレーという大通りに、ドイツを始めとした世界中のビールの屋台が立ち並ぶという(86カ国1780種類のビールが大集合!)、ビール党にとってはたまらないお祭りでした。
カール・マルクス・アレー
私も2日間続けて堪能して来ました。というのも、途中立ち止まっては飲んでというのを繰り返しながら、一気に全長2.2キロの大通りを歩き通すのは困難なので、1日目はシュトラウスベルク広場側から、2日目は東側のフランクフルト門側から攻める作戦に出たのでした。
まず初日。バイエルンのビールのブースがいくつも並ぶ広場近くは、ライブ演奏もあって盛り上がっており、まさにミュンヘンの酒場そのものと化していました。パウラーナーやエアディンガーといった有名どころには今回は目をくれず、あえてバルバロッサという地味な銘柄のヘレスを飲んでみたところ、まるで甘露のように透き通ったうまさで、感服しました。この日はさらにベルギーのさくらんぼビール、チューリンゲン地方の黒ビールを味わいましたが、他にも飲んでみたいと思わせるビールがいくつあったことか…。
2日目はマイニンガーというオーソドックスなピルスナーからスタート。途中見かけたギネスやケルシュに惹かれつつもそこはぐっと我慢して歩き続けると、やがてビール大国チェコのブースが見えてきます。そこで飲んだ黒ビールは豊かな風味を持ちつつも、私の抱いていた「黒」の概念を吹き飛ばすような爽快感溢れる逸品だったのです。そして最後はハチミツ入りの中世のビールで締めました。
ビール片手にごきげんな人々
普段は人通りも少なく、社会主義時代の建築群が威圧的なこの大通りですが、このお祭り期間中ばかりは人々の歓声や笑い声が絶えませんでした。人類が生み出したビールという偉大な飲み物に乾杯!