フランクフルトのジャパンフェスといえば、毎年8月に開催される「マイン祭」が広く知られるようになってきましたが、昨年から冬にも「マインクリスマス」と題したイベントが開かれています。今年の夏のマイン祭では入場料がかかりましたが、マインクリスマスは誰でも無料で訪れることができました。
マイン祭と異なり、日本文化とクリスマスマーケットを融合した冬らしいイベントでした。希望者には5ユーロ以上の任意の額を支払い、特製バッチやリボンなどのグッズがもらえるサポーターチケットを購入することも可能です。グッズを身に付けたサポーターの姿もあちこちで見かけました。
会場は、マイン祭と同じヴァルター・フォン・クロンベルク広場。このイベントのために設けられた特別ステージと、飲食を中心とした屋台が並びます。私が訪れた初日は、寒いながらも天気に恵まれ、会場は多くの来場者でにぎわっていました。
入場無料で、誰でも気軽に楽しめるマインクリスマス
会場に到着すると、ステージからは陽気なラテン音楽が聞こえてきました。Cuba Japónの皆さんが、艶やかな和装でサルサを披露。和装でもスピードとキレのある動きが素晴らしく、会場からも歓声が上がります。舞台上にとどまらず、演者がステージから降りて観客と一緒に輪になって踊り出す一幕もあり、寒い冬にもかかわらず会場は熱気に包まれました。また今年は日本から箏奏者の大川義秋さんが来独し、古典的な曲からクリスマスソング、オリジナル曲まで、幅広いジャンルの曲を披露していました。衣装デザインや制作もご自身で手掛けているそうで、今回の衣装も自作だとか。ドイツで人気のアニメソングを箏で演奏するなど、日本人のみならず、日本文化に興味のあるドイツの観客も魅了していました。
和装でサルサを披露するCuba Japón
さらに大川さんと、夏のマイン祭でも見事な踊りを見せたフランクフルトの日本舞踊家の西川扇夢二さんの共演も。ここでしか観られない才能あふれる演者同士のコラボは素晴らしかったです。ほかにもJ ポップやジャズ、クリスマスソング、手品、ダンス、コスプレなど、冬の舞台もまたバラエティー豊かな演目で楽しめました。
日本から参加の箏奏者・大川さんと地元の日本舞踊家・西川さんの共演
屋台では、定番のグリューワインからホット柚子リキュールなどの特製ドリンクも大人気。私も、SakeLoversによる特製グリュー酒にジンジャーショットを加えた和のドリンクで暖を取りました。ほかにも反橋やのラーメンやBグルメの和食など、冬の屋台で味わう日本食もまた良いものですね。マイン祭同様にマインクリスマスも、定番の日本イベントとしてフランクフルトに定着してくれるとうれしいです。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twitter : @nikonikokujila