季節が移ろうと、その時々の季節感が欲しくなります。これから訪れる秋の気配を感じたい方におすすめなのが、パルメンガルテン(Palmengarten)です。29ヘクタールという広大な敷地を持つドイツ最大の植物園で、四季を通じて、季節の花や自然にちなんだイベントを開催しています。
9月下旬はちょうど収穫祭の時期。並木道がほんのり色づき始めているなか、園内の随所にさまざまなスタンドが設置されていました。ここの主役は、フランクフルトとその近郊の農家や園芸学校で育てられた花々や秋の味覚たちです。でも、ひときわ目を引いたのが、広場に山高く積まれたカボチャの山!オレンジや黄色など彩りが鮮やかで、大きさや形も装飾用と食用とでいろいろ揃っています。カボチャジャムやカボチャ酒など珍しい品物もありましたが、 巨大なカボチャを買い求める人の多さには驚かされました。
広場は大小さまざまな形のカボチャでいっぱい
この時期はダリアの花も見ごろで、公園北側の遊歩道や庭園は、200種類以上の色とりどりのダリアでデザインされていました。秋空に映える色彩を前に熱心にカメラを構える人、散歩の足を止めて花に見入る人の姿も多々見られます。ギャラリーに入ると、野菜や花が賑やかに飾られ、蜂蜜やろうそくなどのグッズコーナーもありました。もちろん、採れたての野菜で作った料理もその場で愉しめ、素朴ながらも格別な味わいでした。
ダリアで彩られた小道
収穫された野菜と秋の花で作られたデコレーション
パルメンガルテン内には異なった趣の庭園がいくつかあり、テーマに合わせて植物も植え分けられています。特設された花や展示のほか、さまざまな秋の姿を眺めることができます。秋が深まるころには菊祭りも開催され、湖のほとりでは美しい紅葉も楽しめるはずです。ドイツは季節感が乏しくて寂しいと思っている方、心癒されに足を運んでみませんか?
Palmengarten
Siesmayerstr.61
www.palmengarten-frankfurt.de
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。