フランクフルトには、上映作品にこだわった映画好きのための映画館がいくつかあります。今回はその中から、雰囲気の良さではナンバーワンのミニシアターを紹介したいと思います。
その名も「Mal Seh’n Kino(マル・ゼーエン・キノ)」。ユニークな名前ですよね?ノルトエンド地区の住宅街の中に溶け込んでいるミニシアターで、世界各地の映画をおよそ月替わりで上映しています。昨年夏には、蜷川実花監督の『さくらん』が登場するなど、日本映画が上映されることもしばしばあります。映画の国籍、ジャンルを問わず「ちょっと観てみよう」という気にさせてくれる作品がラインナップされています。
ここでお茶してから隣りの映画館へ
個人的には、アート系作品やドキュメンタリーなど、各国の文化が色濃く反映されている映画をオリジナル音声で観られるところが気に入っています。今月だけでもドイツ、フランス、米国、韓国の映画がプログラムに並び、映画は好きでもハリウッド映画にはもう飽きた、という人が新境地を開拓できるシアターです。
すっかり住宅街に溶け込んだシアター
ここのもう一つの魅力と言えば、併設されているカフェ「Filmriss(フィルムリス)」です。メニューはスナックとドリンクしかないものの、木造のクラシックな内装に心地良いほの暗さが素敵なカフェで、映画の世界に入る前にリラックスしたいとき、または上映後に作品の余韻に浸りたいときに最適です。カウンターで注文したドリンクは館内に持ち込むことができるので、これから観る映画のイメージに合わせてワインやドリンクを選んでみると、作品の味わいもより深まるかもしれません。
選りすぐりのプログラムはもとより、建物全体が観る人を映画という別世界へ誘う雰囲気を持ったミニシアターです。
MAL SEH’N KINO und Café Filmriss
Adlerflychtstr. 6
60318 Frankfurt am Main
www.malsehnkino.de
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。