1094号で、オーガニック・ケーキのお店を紹介しましたが、今度は「ここは日本かしら?」と思うような美しいケーキが並ぶお店を発見しました。外の看板もパステル・カラーで、はっきりとした色を好むドイツの雰囲気とは異なっているのです。それもそのはず、「Die Patisserie」という店名が示す通り、そこは完全フランススタイルのケーキ屋さん。
店内もパステルカラー
同店のシェフ・パティシエのピエール・ウヴラールさんは、フランス人。30歳のときに思い立ち、パリで名の通ったパティシエの専門学校でケーキとパンの職人としての腕を磨きました。彼はその後、フランスの味と芸術のような焼き菓子をほかの国々に広めたいと願い、ドイツにやって来たのです。特にマカロンは、フランスではごく一般的な焼き菓子ですが、最近までドイツではあまり知られていませんでした。確かにマカロンは小さくてかわいらしく、大きくてどっしりとしたドイツの焼き菓子とは対極にあります。それが最近、ドイツでも人気が出てきているようなのです。
芸術的なタルトレットがずらりと並ぶ
現在は店頭で販売するだけでなく、ハンブルクのカフェやレストラン、ホテルなどにも卸しているとのことでした。同店のケーキやパンはすべて手づくり。生地を混ぜるのも、器具を使わず、手作業です。生地の微妙なニュアンスも、手の感触で判断するということでしょうか。材料は、彼自身で選んだ新鮮で良質のものを用い、ドライイーストや保存料は使っていません。毎日朝3時から、その日のパンとケーキを焼いています。すべてがフランススタイルなので、タルトレットやエクレアなどの飾り付けが細やかで芸術的。日本人が想像する「ケーキ」そのものです。ショーケースに並んだケーキを眺めるだけで、幸せな気持ちになります。
同店では畑瀬俊宏さんという日本人のパティシエも働いています。「Yuzu」というタルトレットがあったので、畑瀬さんの考案かと思いましたが、彼が働き始める前から、お店のレシピとして存在していたそうです。「ここのケーキは甘さ控えめで、大きさ的にも日本人に合いますよ」とのこと。確かに、軽めのクリームもサクサクのタルトレット生地も、日本人には嬉しいです。
フランス・パンと言えば、バゲットとクロワッサン。フランス人から、「バゲットは焼きたてに限る」と聞いたことがありますので、バゲットを買うなら、週末の朝食用でしょうか。パンもケーキも、店内で飲み物とともにいただくことができますので、ぜひ訪れてみてください。
Die Patisserie:www.die-patisserie.de
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
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