Hanacell

木製の模型でハンブルクの街並みを一望

ドイツの街並みは、都市計画によって整備され、景観を損なわないよう工夫されていることがほとんど。家を建て替える際も、外壁はそのままで、内装だけをモダンに改修することがよくあります。以前、都市計画の専門家に「日本では景観や区域に関係なく、高速道路が行き当たりばったりに造られているように見えるが、そもそも『都市計画』という概念がこの国にはあるのか」と聞かれたことがありました。専門家でなくとも、概ねドイツ人は近代的なビルと古い街並みが混在することを嫌う傾向にあるので、狭い平野地域にすべての機能を押し込んでいる日本の都市のあり方は、ドイツ人には理解しがたいのでしょう。

ハンブルクでは、50年ほど前から、都市計画者や建築家、政治家たちが、この街の都市開発研究に役立てようと、市の模型作りを手掛けてきました。それが2004年から無料で一般公開されています。

模型
都市開発・環境庁の建物内にあるハンブルク市街地の模型

場所は「ハンブルク都市開発・環境庁」の敷地内の一角。そもそも「都市開発・環境庁」の建物が独立して存在しているあたりに、市民のこのテーマへの関心の高さがうかがえます。「Stadtmodell(都市模型)」と看板の立った入口を抜けると、111㎡という大きなテーブルに、ハンブルクの市街部分が500分の1縮尺の模型となって展示されています。市庁舎や教会、テレビ塔など、高い建物はすぐに分かり、エルベ川には船も停泊しています。自分の住む家を探してみるのも楽しいかもしれません。

この模型は菩提樹で作られており、ほとんどの建物が白く塗られています。アルスター湖とエルベ川の青、並木の緑と対象を成しているのですが、所々に白く塗られていない、木の色そのままの建物が見受けられます。木肌色は、現在建設中の建物であるということを示す印だそうで、この模型を見ると市のどの辺りが開発中となっているのかが一目瞭然です。旧倉庫街のハーフェン・シティー(Hafen-City)は軒並み木肌色ですが、建物はすでに完成予想の形をしており、コンサートホールとして建設中のエルプ・フィルハーモニー(Elbphilharmonie)も、その人目を引く外観を披露していました。

入り口
模型展示場の入り口

このほかにも建設中の建物はハンブルク市内に散在していて、「まだまだ発展途上のハンブルク」という印象を受けました。きっとこの街の子どもたちは、学校の社会見学などでここを訪問し、ハンブルク市民としての誇りを培っていくのだろうな、と想像しながら観ていました。

Behörde für Stadtentwicklung und Umwelt Hamburg
Wexstraße 7, 20355 Hamburg
火~金10:00~16:00
土日13:00~17:00 ※月曜休館

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
 
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