「あなたが必要なだけ~ So viel du brauchst」という聖書の言葉をテーマに、去る5月1~5日、ハンブルクにて第34回「全ドイツ・プロテスタント教会大会(Kirchentag)」が開催されました。この大会は隔年ごとに州を変えて行われており、ドイツ全国からキリスト教信者が集まります。今回は約30万人がハンブルクを訪れたと発表されており、街にはテーマのロゴの入った青いマフラーをした人が溢れ、電車は常に混雑していました。
オープニングの夜を飾ったのは、ストリート・フェスティバル。諸団体が思い思いのスタンドを出し、私が所属するハンブルグ日本語福音キリスト教会もこれに参加しました。日本文化を紹介する意図を込めて、折紙や「愛」「平和」などと書かれた一合枡、日本語とドイツ語で聖書の言葉が書かれた栞などを、スタンドを訪れたドイツの方々にプレゼントし、喜ばれました。こちらでは「日本は仏教の国」という認識が一般的なので、「日本にもクリスチャンがいるの?」と驚くドイツ人も多くいました。
オープニングのストリート・フェスティバル。
浴衣姿の少女たちが人目を引いた日本語教会のスタンド
街全体、各教会や施設で礼拝や祈り会、コンサートなどの催しが行われましたが、メイン会場はハンブルク・メッセ(Hamburg Messe)。ここでもキリスト教関係の諸団体がブースを出し、大ホールではテーマに沿った様々な講演会が行われました。中でも興味深かったのが教会音楽のホールでのプログラム。「モーツァルトのレクイエムを歌いましょう」や「オープン・リハーサル」と題して、歌いたい人や楽器を演奏したい人が集まり、その場で2時間、合わせ練習、そのまま本番! という音楽会を開いていました。もちろん、ある程度素養のある人が集まって来たのでしょうが、1000人規模の大合唱、大合奏は、それほど簡単にはできないでしょう。こういうことが可能であるというのが、教会大会の魅力なのかなと思いました。
開催期間中、常に大勢の人で賑わっていた市庁舎前広場
市民公園(Stadtpark)で行われた最終日の閉会礼拝には、約13万人が集まり、それが国内の各教会に中継されていました。ハンブルクの天気はいつも不安定なのに、この期間ずっと晴れていたのは、参加者の篤い祈りのおかげでしょうか。
ガウク大統領やメルケル首相のスピーチもあり、また連日テレビでも放映されていて、教会大会に対する市民の関心の高さがうかがえました。日本では、国民的宗教が神道や仏教と言っても、「全日本神道大会や仏教大会が行われ、日本全国から信者が集まる」という話は聞いたことがないので、ドイツはやはりキリスト教国なのだと再認識しました。
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?