わが家の8歳と4歳の娘たちの友だちには小動物を飼っている家庭が多く、ぬいぐるみでは物足りなくなってきた彼女たちも、飼いたいという熱が高まっています。幸いにも(!)夫が動物アレルギーを持っているので、自宅内で小動物を飼うことは難しいのですが、庭で飼うことができるうさぎであれば、良しとしました。ただし、わが家が休暇中に代わりに面倒を看てくれるほかの家族を見つけることが前提条件。長女はすぐに友人たちと彼らの親に問いかけ、5人の友人家族から快諾を得ることができました。
並行してインターネットで、うさぎを飼うために必要なものを調べました。そんなとき、長女が見つけた情報に「動物を飼うならペットショップやブリーダーからではなくてまず動物保護施設(ティアハイム)を訪ねましょう」と、ありました。金額に関係なくお金で生き物を買うことに抵抗があるので、それではと私たちも訪ねてみることにしました。
ライプツィヒ中心部から北へ約10キロ、車で20分ほどの郊外にある「ティアハイム・ライプツィヒ」は1875年に立ち上げられた歴史の長い団体です。ここには犬90匹、猫80匹、鳥30匹、うさぎ・ハムスターなどの小動物20匹、蛇、亀などの爬虫類が170匹ほど収容されています。飼い主の死亡や引越し、動物自身の病気が高齢になるにつれひどくなったために預けられているケースがほとんどです。「いらなくなったから」と言う理不尽な理由では、引き取ってもらえません。また、ここでは動物たちは殺傷処分されることはなく、家族として引き取られるまでの待ち時間を過ごす場所です。スタッフ14人に加えて多くのボランティアがサポートし、運営は市からの助成金と個人・企業からの寄付金で成り立っています。施設内は非常に清潔に保たれており、廊下に面してガラス窓で仕切られた部屋にいる動物たちが自由に外に出られるような配慮も。それぞれのブースには、名前、生年月日、保護された理由などが記されたカードが付けられていて、ウェブサイトにも丁寧に写真と情報が載せられています。
ウェブサイトに掲載されている写真と情報
清潔に保たれている施設内の様子
さて私たちがうさぎに興味があると問い合わせると、親切なスタッフが案内してくれました。訪れたときは2羽のペアが2組、どちらも片方が病気で飼い主が引越しのために連れて来られたとのことでした。それを聞いて娘たちは、ただ「かわいい」だけでなく病気の動物を引き受ける「責任」も同時に連れて帰ることになると気づいて、飼いたい熱がちょっと下がったようでした。というわけでわが家の庭にうさぎはまだいませんが、保護施設に預けられた動物に新しいわが家を作ってあげられるのであれば、引き取っても良いかなと私が気になっているところです。
福岡県出身。日独家族2児の母。「働く環境」を良くする設計を専門とする建築家。2011年に空き家再生社会文化拠点ライプツィヒ「日本の家」立ち上げ、18年まで共同代表。15年より元消防署を活用した複合施設 Ostwache共同代表。
www.djh-leipzig.de