ジャパンダイジェスト

市民公園でのアクション#EastParkFiction

ライプツィヒの東エリアにある休閑地では、地区公園の開発計画についての議論が長年続けられています。この周辺の地区は人口密度も高く、緑地の量も限られているため、住民たちはこの地区公園を待ち望んでいます。しかし近年、市政はこのプロジェクトを進めていません。それどころか、休閑地の一部は現在投資家に売却される恐れがあり、公園の計画が無効になる可能性も。この状況に危機感を持った住民やNPO団体が立ち上げたのが、#EastParkFictionというプロジェクトです。

昨年9月、#EastParkFictionは周囲のカフェやバー、アートギャラリーなど多くの団体と一緒に、3日間にわたってイベントを開催。この休閑地がどのような場所になってほしいかについて、みんなで考え、アイデアを出し合う機会を設けました。

地区公園になる予定の休閑地地区公園になる予定の休閑地

イベントでは、廃材で作った動物のモチーフを使ってパレードをしたり、映画の上映会やコンサートも。また、道路にテーブルと椅子を並べてみんなでご飯を食べ、紅茶を飲みながら積極的なディスカッションを行いました。

さらに、休閑地の近くにあるラベットパークでは、#EastParkFictionの運営メンバーたちによる「FESTIVAL LAB」というイベントも毎年開催されています。この地域の住人の約3割は、移民や難民の背景を持つ人々。そのためこのイベントでは、さまざまな文化的背景の子どもや若者たちが異文化交流をし、自由に創造することや表現することの喜びを分かち合うことが目的とされています。

昨年行われたパレードの様子昨年行われたパレードの様子

昨年は私もこのイベントに参加し、子どもたちと一緒に巻き寿司を作りました。ほかにも、さまざまな楽器でのジャムセッション、サンバイザーへのペインティング、ヨガやスタンプラリーなど、楽しいイベントが目白押しでした。

新型コロナウイルスによる接触制限中の現在は、この休閑地を掃除するクリーン作戦を実行中。入り口には牛乳パックを再利用して作られた財布や、ゴミ袋がメッセージと共に吊られていて、空き地をきれいに保つことを人々に呼びかけています。ちなみに5月30日(土)にも行われる予定です。

休閑地の入り口にある、牛乳パック製の財布とメッセージ休閑地の入り口にある、牛乳パック製の財布とメッセージ

それに加えて、#EastParkFictionのメンバーたちは、簡易ドラムを作ったり、スパイスで絵を描いて遊ぶ方法、歌をみんなで歌ったりと、家で楽しく過ごすためのアイデアを動画で配信中。 新型コロナウイルスの影響で、今年は例年のようにイベントが行えるか分かりませんが、無事に開催された暁には、またその様子をレポートしたいと思います。

#EastParkFiction:www.honoraryhotel.net

小見山 郁子(こみやま いくこ)
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。
 
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