冬真っただ中のドイツ。この記事を書いている今も、ライプツィヒでは雪の日々が続いています。ドイツで長らく愛されている冬のインドアアクティビティの一つとして、編み物があります。ドイツ語で棒針編みは「Stricken」、かぎ針編みは「Häkeln」。手芸店にはさまざまな毛糸が並び、私も毎年この時期には編み物を楽しんでいます。
市庁舎の家族情報局に並ぶ作品の数々
私が暮らしているライプツィヒには、「Leipziger Strickomis」というライプツィヒ名物の編み物おばあちゃんたちがいます。ちなみに「Strickomis」とは、「Stricken」とおばあちゃんを表す「Omi」が組み合わさった造語です。
おばあちゃんたちは過去11年間に渡って、ライプツィヒで生まれる新生児のためにベビーシューズを編んできました。また新生児のお兄ちゃん・お姉ちゃんのためにぬいぐるみを編むこともあるそうです。これまでに約100人の女性と1人の男性がこの活動に参加し、ボランティアで7万点以上の作品を作りました。
ライプツィヒで子どもが生まれて市役所の家族情報局を訪れると、ウェルカムボックスと共に、おばあちゃんたちが作ったベビーシューズをもらえます。かくいうわが家でも、子どもが生まれたときに一足いただきました。冬生まれの子だったこともあり、大事に使わせてもらいました。
わが家でいただいたニットシューズ
今回の記事を書くためにライプツィヒ市のウェブサイトを調べていたところ、家族情報局ではおばあちゃんたちが使う毛糸の寄付を募っていることを知りました。私は編み物が大好きで、家には衝動買いした毛糸や、少し残った毛糸がたくさん。そこで毛糸を持参して、久しぶりに家族情報局を訪れました。毛糸を寄付すると、小さな手編みのブーツにメッセージとチョコレートの入った、なんとも心温まるお礼をいただきました。
毛糸の寄付に対する心温まるお礼
おばあちゃんたちは子ども向けの手芸ワークショップも開催しているとのこと。いつか子どもと一緒に参加したいです。そして私自身がおばあちゃんになったとき、もしまだライプツィヒに住んでいたらStrickomisに仲間入りしたいなとも。
ドイツで過ごす冬のおうち時間、まだ編み物をしたことがないという人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。靴下などの簡単なものであれば、初心者でも冬の終わりまでには編み上がるはずです。
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。