皆さんは普段どこで買い物をしていますか? スーパーマーケットは品ぞろえが豊富で、一度にいろいろなものを購入できて便利ですよね。コロナ禍のロックダウンを経て、デリバリーサービスを利用するようになったという人もいるかもしれません。
消費行動が少しずつ変わるなかで、この1~2年の間で私がライプツィヒで気に入って通っていたオーガニックショップが3店舗、生地屋さんが2店舗閉店しました。この記事を書いている今、「unverpackt」(無包装)のヴィーガンショップ「Henna’s Unverpackt」が閉店しようとしています。
思い出に買ったショッピングバッグ
環境への配慮から、スーパーマーケットにもオーガニックや菜食の商品が豊富に並び、オーガニックやunverpacktのお店が注目を集める一方で、小売店の経営は容易ではないようです。
閉店準備を進めているHenna’s Unverpacktの店主のHennaさんに、この数年間の店舗経営についてお話を聞きました。Hennaさんはヴィーガン料理の経験が豊富なハンガリー出身の女性で、商品を売るだけでなく、食材の使い方もアドバイスしてくれます。私も彼女もドイツでは移民で、お互い食ビジネスに携わっていることから意気投合し、買い物とおしゃべりをしによくHennaさんのお店を訪れました。
Hennaさんが開店を検討していたのは、無包装の小売店が注目を集め始めた時期でした。開店に当たって同業のお店をのぞいて商品の値段の高さに驚いたといいます。その後オープンしたHennaさんのお店にも高価格帯の商品はありましたが、ハンガリーから輸入するなどして、良心的な価格で商品が販売されていました。
閉店準備を進める店内には思い出と寂しさが
コロナ禍でもお店を開けていることはできたものの、スーパーマーケットでまとめて商品を購入する消費行動や、「ヴィーガン食材やunverpacktのお店は高い」というイメージを変えるのは簡単ではなく、閉店を余儀なくされたと言います。
私自身自分のビジネスを持っていて、ビジネスの世界が厳しいことは理解しています。でも、個性豊かな地域の小さなお店がなくなってしまったら寂しくないでしょうか。Hennaさんのお店の閉店をきっかけに、地域のお店を支える一消費者でありたいという思いを強くするのでした。
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。