ジャパンダイジェスト

デザインが集積する3日間 Designers’ Open

芸術分野だけでなく、デザイン分野でも重要なプラットフォームを持つライプツィヒ。毎年10月に開催される「デザイナーズ・オープン」が、今年も10月21日から23日にかけて開催されました。この3日間の催しは、2005年にアンドレアス・ノイベルトとヤン・ハルトマンの工業デザイナー2人 (www.hartensteiner.com)が立ち上げました。当時30代前半だった彼らは、「若いデザイナーがデザインを発表する機会がない。それだったら自分たちで作ろう」という意図で始めました。毎年展示会場を変えながら、その規模は確実に大きくなり、今ではドイツ国内のデザイン分野での催しとして、なくてはならない存在になっています。

2013年からはライプツィヒ・メッセが運営母体となり、発起人の彼らはエキスパートとして関わっています。現在では、家具・インテリア、ファッション・アクセサリー、リサーチ・工業、建築そしてグラフィックの分野に分かれ、参加者は250組以上です。特に出版の都市として発展してきたライプツィヒのグラフィックデザインはとても有名です。出展者がスタンドでプロダクトを展示販売するだけでなく、期間中はファッションショー、ワークショップ、シンポジウムなど様々なプログラムもありました。さらに、期間中は市内各地にある30カ所以上のギャラリーやデザインショップが関連スポットとしてオープンし、イベントを盛り上げました。

デザイナーズ・オープン
約300名の招待客で一杯になったオープニングパーティーは
市長の挨拶から始まった

デザイナーズ・オープン
様々な「デザイン」 の展示ブースが並ぶ会場

同時期、グラッシィ博物館でも「グラッシィ・メッセ」が行われ、国内外からおよそ100組が美術工芸品を出展しました。このグラッシィ・メッセの歴史は1920年にまでさかのぼります。当時の美術館長のリチャード・グラウルが立ち上げ、戦時中までドイツ国内で最も重要なプロダクトデザインの展示会として知られていました。その後の長い休みを経て1997年に復活し、2007 年からは毎年10月に開催されています。

グラッシィ・メッセと連動し、デザイナーズ・オープンは毎年1 万6000人以上が訪れるデザインの祭典として、ライプツィヒにとって大切な3日間になっています。 「自分たちの欲しい機会は、自分たちで作る」。きっかけは個人的な想いでしたが、それを必要として求める人たちが多くいるからこそ、連鎖反応を続けて都市の中にも浸透してきました。今後のさらなる展開が楽しみです。

デザイナーズ・オープン: www.designersopen.de
グラッシィ・メッセ: www.grassimesse.de

ミンクス 典子
ドイツ建築家協会認定建築家。福岡県出身。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の設計事務所に所属し、10年から「ミンクス・アーキテクツ」主宰。11年より日独文化交流拠点ライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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