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新生「トラム23」が運行開始

昨年12月12日、シュバーベン地区の地下鉄Münchner Freiheit駅の広場にて、当駅の北側に延びる「トラム23」の開通式典が行われました。地下鉄のホームも鮮やかな色彩に改装され、駅の通路では式典のパンフレットを配る若い女性の姿がみられました。また、周辺の通りにある古い建物もこの日に合わせて外壁の改修・清掃がなされ、近くのカフェや商店も便乗し、店員が広告やサンプル商品を手に会場を行き来していました。トラムの開通式とあって、子ども連れの訪問者が多いのかと思いきや、目立ったのは年配の方々。雪がちらつく中、人々は花で飾られた市電と一緒に写真を撮ったり、市長のスピーチに聞き入ったりしていました。

10時からミュンヘンのウデ市長、ミュンヘン交通局(MVG)のケーニッヒ局長による挨拶の後、開通のテープカット。続いて12時からは無料招待乗車が行われ、当日夕方までに2万7000人の乗客が訪れたそうです。Münchner Freiheit駅から新興住宅地Parkstadt SchwabingがあるSchwabing Nord駅までの全長3.1kmの新路線。途中7カ所ある停留所も、地下鉄、バスへの接続が良く、MVGは1日1万8000人の乗客を見込んでいるとのことです。

ウデ市長、ケーニッヒMVG局長らにより開通のテープカットが行われた
ウデ市長、ケーニッヒMVG局長らにより
開通のテープカットが行われた

この路線の見所でもある、Frankfurter Ring通りに架かる斜張橋やガソリンスタンドのような斬新な外観で賛否両論を呼んだMünchner Freiheitの停留所を含め、総建設費は約5000万ユーロに上ったそうです。式典の挨拶でウデ市長は、「この国際的にも価値ある建造物である停留所がお気に召さないようでしたら、MVGまでご意見をお寄せください。MVGから私に届いた皆様の声は、市議会でも取り上げていくつもりです」と語っていました。さて、どう採り上げてくれるのでしょう。これも市長としての宣伝を兼ねてのことでしょうが、なぜかこの市長の話し方や言葉には説得力が感じられる、などと思いながら聞いていました。

一方、華々しいトラム23の開通式典の裏でMVGはこの日、4.5%の運賃の値上げも実行しています。日本の鉄道に比べ、考えられないほど頻繁に行われるストに、ほぼ毎年のように行われる値上げ、「無料招待乗車」があまりありがたく聞こえなかったのは、私だけでしょうか。

ちなみに、トラム23はこの区間においては新規開通でも、同じ番号で1935~43年、72~75年と時期を変え、街の東西、南北を走っていたそうです。戦争や地下鉄開発の影響で2度も消えることになった路線。時代を超えても番号だけは残っていたようですが、今度こそ3度目の正直。息の長い市民の足になって欲しいところです。

Münchner
Freiheitの停留所にて
「素敵なガソリンスタンド」とも形容された
Münchner Freiheitの停留所にて

さかいざわ はる
2004年よりミュンヘン在住。主婦の傍ら、副業でWEBデザイナー。法律家の夫と2人暮らし。クラブ通い、ゴルフが趣味のおばさん。
 
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