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ビオ菜園 —自家栽培の楽しみを都会で

毎年ミュンヘン市が企画している“都市で楽しむビオ(BIO)菜園”の プロジェクト、その名も「Krautgarten(キャベツ畑)」が今年も始まりました。これは、市内東部の数ヶ所にある遊休地を小さく区画し、夏の間菜園として市民に貸し出すというものです。農作業に必要な道具や水遣りのための井戸、じょうろも準備されているので、身ひとつで畑仕事に出掛けることができます。

30㎡と60㎡の大きさの菜園があり、5~11月の半年間の利用料は、それぞれ63ユーロ、115ユーロ。この利用料の中には、市が用意してくれる野菜の苗木の費用も含まれています。借り受けた土地の3割には自分の好きなものを植えられますが、その他7割に植える苗は、市によってあらかじめ決められているのです。それはキャベツのほか、数種類のレタスにラディッシュ、ほうれん草、コールラビ、にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、ビーツ、マンゴルドにセロリなど様々。そしてこれらの野菜の収穫が終わり次第、そこにも自分の好きなものを植えることができます。近所のお店では買うことのできない日本の野菜を自分で育てることだってできるのです!

ビオ菜園
利用者が自ら苗を植えます。皆さん張り切っています

60㎡の菜園で約200キロの野菜を育てられるようになっていて、30㎡でも4人家族の食卓に上るのに充分な量を収穫できます。菜園は、丹精込めて育てた野菜を「食べられる」という実益を兼ねているので、作業もその分楽しめます。ただ、農作物の成長や害虫による被害の規模は気候に左右されるほか、ちょっと手を抜くと雑草も伸び放題になるので、常に気に掛けてあげることが大切。しかしそのような作業を通して、化学薬品を使わずに畑を守ることの大変さが解るはずです。

ここは原則的に「BIO菜園」なので、市も有機野菜の苗木や肥料を販売しています。また、ドイツ語ではありますが、初心者向けに簡単な入門書も販売されています。これには各野菜を使ったレシピが載っているので、馴染みのない野菜を使った料理にも挑戦できます。さらに、もう何年もこの菜園を借りている先輩たちがブログで初心者にアドバイスをしたり、菜園でのバーベキューパーティーを企画したりしてくれています。

実際に自分で作って食べてみる——菜園は野菜を知る良い機会になると思います。今年の貸し出しはすでに終了していますが、興味のある方はこの夏に観察に出掛け、来年の「Krautgarten」に参加してみるというのはいかがでしょうか。

www.muenchen.de/Rathaus/kom/05landwirt/120655/krautgarten.html

ビオ菜園
苗を積んだトラックが到着。
畑の場所を決める「くじ引き」が行なわれます

さかいざわ はる
2004年よりミュンヘン在住。主婦の傍ら、副業でWEBデザイナー。法律家の夫と2人暮らし。クラブ通い、ゴルフが趣味のおばさん。
 
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