ミュンヘン中央駅から北東に向かうSバーン(S2)に揺られること約30分、ポーイング(Poing)駅を過ぎると、車窓からたくさんのシカが見えてきます。「住宅街のすぐ傍なのに、なぜ?」と不思議に思うのですが、 実はここは、57ヘクタールの広さを誇る動物園(Wildpark Poing)なのです。この動物園には、100頭を越すシカだけでなく、ウサギやビーバーなどの小動物、クジャクやフクロウなどの鳥類、そしてクマやオオカミなどの大型動物も飼育されています。
ポーイング駅を降り、散歩気分で20分ほど歩くと、森の中にある動物園の入口に到着します。1人6.50ユーロ(3~14歳は4ユーロ)の入場料を支払う際、動物たちに与える餌を買うこともできます。というのも、この動物園では小型のヤギなどは放し飼いにされていて、来園者が自由に触ったり、餌を与えたりすることができるのです。柵の中にいるウサギやシカと触れ合うことも可能。ただ、1つだけ注意しなければならないことがあります。それは餌の与え方。動物たちは、食べることに貪欲です。餌を出した途端にものすごい勢いで近寄って来るので、小さなお子さんはちょっと怖い思いをしてしまうかもしれません。そんな時は、餌を地面に撒いて、少し離れた場所から動物たちを観察した方が良いでしょう。私が訪れた日、園内では持参したニンジンなどを与えている、動物慣れした親子をたくさん見かけました。
水辺で日向ぼっこをするクマ
そしてこの動物園には、かなり広いクマ用のスペースがあります。池なども配置された柵の中で、のんびりと、そして時に家族や仲間同士でじゃれ合っているクマたちを微笑ましく見ていると、そのすぐ隣にオオカミの姿を発見! クマのテリトリーに紛れ込んでしまったのかと心配しましたが、ここではクマとオオカミが問題なく共存しているとのことでした。このような飼育も、広い敷地があるからこそ可能なのでしょうね。
また、ここで特にお勧めしたいのが、タカのショーです。威厳と迫力のあるタカたちが見せる空中パフォーマンスは、見応えがありますよ。開催日時については、動物園のホームページ(www.wildpark-poing.de)でご確認ください。
さて、広い敷地内を歩いて疲れたら、広場(Spielplatz)でひと休みしましょう。軽食や飲み物を買える売店もありますし、お弁当持参でもOK。子どもたちのための遊具も充実しています。天気の良い休日に家族や友人と、もしくは1人でのんびりと過ごすのにぴったりのスポットです。
日差しの中でくつろぐオオカミたち
Wildpark Poing
Osterfeldweg 20, 85586 Poing
Tel: 08121-80617
www.wildpark-poing.de
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。