ドイツ・アルプスの麓、美しい自然に囲まれたアルゴイ地方の中心部に位置するケンプテン(Kempten)は、ドイツ最古の町として知られる、歴史ある町です。この町へは、ミュンヘンから西南へおよそ130km。車や電車を利用して約1時間半で着くので、今度の週末はちょっと足を延ばしてどこかへ行きたいな、というときに最適な小旅行スポットです。今回はこの町をご紹介しましょう。
紀元前、ローマ帝国軍が北への侵攻を進め、この地域に到達した当時、ここはケルト人が住む「カンボドゥノン(Kambodunon)」という町でした。その時代の遺跡が、今も町を一望できる丘の上にあり、一般公開されています。ローマ帝国の属領となった後も、この町は教会や王家などの支配の下でアルゴイ地方の中心都市として繁栄し続け、今でも町の中心部の美しい町並みが、その面影を当時のままにとどめています。
奥に見える丘の上に、カンボドゥノンの遺跡があります
さて、オーストリアとの国境に近いケンプテンは、こじんまりとした町。中心部から少し離れれば、たちまち豊かな自然が広がります。アルゴイと言えばウィンタースポーツが盛んな地域です。スキー場へは車で約30分。また、ドイツ屈指の観光名所である豪華絢爛なバイエルン王家の城、ノイシュヴァンシュタイン城やホーエンシュヴァンガウ城へも、車で約30分で行けます。アルプスの大自然の中でのスキーや散策、観光を楽しんだ後には、ケンプテンの西にある「CAMBO MARE(カンボ・マーレ)」というテルメ(温水プールとサウナを備えた大型スパ施設)がお勧め。温かいお湯に浸かって心行くまでリラックス……なんて、最高の贅沢ですよね!
中世の面影を残す町の中心部
また、春夏秋にはこの町を滞在拠点として、ハイキングやサイクリングツアー、ノルディックウォーキング、山登り、岩登り、ゴルフなど、様々なスポーツを楽しむことができます。町の郊外にはウォーキング&サイクリングロードが整備されていて、誰もが気軽に自然を満喫できるようになっています。地域の散策ルート・マップも充実しており、宿泊先のホテルなどで聞けば、お勧めのコースを案内してくれるはずです。お子様連れなら、ケンプテンから東へ約50kmの町ショーンガウにある「メルヒェンの森と動物園(Schongauer Märchenawaldund Tierpark)」で、1日のんびりと過ごすの良いかもしれません。その名の通り、園内は有名な童話をモチーフにデザインされ、動物たちと触れ合えるコーナーがあります。
四季を通じて様々な楽しみを与えてくれるケンプテン。皆さんも一度お出掛けになってみては?
www.kempten.de
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。