Vol.5
ドッグトレーニング開始!
お散歩中にハロウィンのかぼちゃを発見!
ジェイク、師匠と運命の出会い
以前行ったドイツ人トレーナーのフンデシューレ(犬の学校) にジェイクと一緒に行こうかどうしようかと迷いつつも、なかなか勇気が出ずにいたある日、上の階のドイツ人のおばさんから、「あなたの犬、留守中にまだ吠えてるわよ。なんだかかわいそうになってしまうの」と2回目のクレームが。気になりつつも外出しない訳にも行かず、何とかなだめすかして出掛けていたのですが、やっぱりダメでした。
楽しいはずのジェイクとの生活が苦痛にすら思えていたそんなとき、ジェイクにとって運命的な出会いが待ち受けていました。何とドイツ語学校で知り合った友人の旦那さんが、犬の訓練士だったのです! 日本で10年ほど訓練士として働き、ドイツに犬の訓練や競技について学びにやってきたのだそうです。わらにもすがる思いでジェイクのことを話すと、「僕が一緒にトレーニングしましょうか?」という、ドイツの暗い冬に春が来たかのような言葉が返ってきました。
この訓練士さんこそがジェイクと私の師匠、元田さんです。日本での経験とドイツで学んだ犬についての知識、その両方を知っている訓練士さんは、私たちにとってはまさに救世主のような存在でした。
心をつなぐお散歩体験
本来はドイツのフンデシューレでほかの犬たちと一緒に訓練ができると良かったのですが、差し迫った状況もあり、元田さんに週1回レクチャーをしてもらい、1日10分ほどでできる簡単な訓練を始めることにしました。お座り、伏せ、ダメなどのコマンドは、散歩中に周りの人たちにも訓練中であることを伝えたいのでドイツ語で。根気と忍耐のドッグトレーニングの始まりです。
毎日の訓練は、散歩中と朝夕のごはんのときに。カチッと音が出るクリッカーという訓練用の道具とジェイクが好きなおやつを使って、待てや伏せなどを教えていきます(恥ずかしながら、ジェイクはそれまでお座りとお手しかできませんでした)。できたらクリッカーを鳴らして褒めておやつをあげる。この訓練に加えて、留守中の吠え対策も行っていくことに。まずは元田さんの提案で、ジェイクの行動を見るため、私の留守中はいつもビデオカメラを回すことにしました。 そのビデオを見てみると、私が出掛けてしばらくすると切ない声で鳴き始め、そのうち絶叫のように約15分。しばらく寝ていたかと思ったら、起き出してまた絶叫吠え。不安でたまらないという様子が伝わってきます。これは確かにおばさんが言う通り「かわいそうな鳴き声」でした。
ドッグトレーニングは一日にして成らず。心が通じたなと思ったら、次にはいたずらしていたり。でも、何があっても毎日コツコツ。そう思って訓練を続けていたあるとても晴れた日の朝、散歩のときに初めてジェイクと私の歩調がぴったり合いました。「気持ちいいね!」とジェイクを見下ろすと、ジェイクも同じように私を見上げて「気持ちいいね!」とアイコンタクト。東京では毎朝忙しくてただ歩くだけだった散歩で、実はこんなふうに犬と心をつなぐことができるなんて。犬と人の心が通い合う瞬間が増えていく、それがドッグトレーニングなのかもしれないと少しずつ分かってきました。
ジェイクが教える!
ワンコ目線のお役立ちTipp
いたずらしたときは「Nein!」
ドイツ語で犬と話そう!
基本の6つの言葉を覚えておくと、ドイツの犬とお話しすることができるよ。僕みたいに突然話しかけられると怖がっちゃう子もいるから、お散歩中の犬に触ったり近寄るときは、飼い主さんに一声かけて、許可を得ることを忘れずにね!
ドイツ語の犬のコマンド
Sitz!(ジッツ)お座り
Platz!(プラッツ)伏せ
Bleib!(ブライプ)待て
Nein!(ナイン)ダメ
Aus!(アウス)やめ(Neinより強い)
Gut!(グーット)よくできた!