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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

北の港町で最先端のクラフトビールを召し上がれ

エルベ川の河畔に位置し、ドイツ最大の港町であるハンブルク。中世の昔から、世界屈指の国際商業都市として大変活気にあふれた街だ。ユネスコ世界文化遺産にも登録されている赤レンガの倉庫街と商館街や、威風堂々とした市庁舎、かつてビートルズが下積み時代を送った歓楽街など、おしゃれでモダンな街には見どころが多い。街中に張り巡らされた運河とアルスター湖を周遊する遊覧船も運航しており、水の上から見る街もまたロマンチックだ。

この街でぜひ味わって頂きたい新名物は「クラフトビール」だ。クラフトビールとは職人が創造性を持って造るビールのこと。米国に端を発し、ヨーロッパ発祥の伝統的ビアスタイルをリスペクトし発展させたもので、スタイルも味わいも多種多様。ドイツ国内では、ベルリンとハンブルクがトップランナーだ。特にハンブルクでは、ドイツの伝統的な手法と、アメリカやデンマークといった国外のイマジネーションが融合したユニークなビールが次々と誕生している。

「Kehrwieder Kreativbrauerei」はハンブルクのクラフトビールを語るのに欠かせない醸造所だ。醸造長のOliver Wesseloh氏はベルリンの大学で醸造を学び、米国とケイマン諸島で修業をした新進気鋭の醸造家。2013年にビアソムリエの世界大会で優勝しており、その豊富な知識と独創的センスでドイツのクラフトビール界を牽引している。

「Elbe Gose」は北ドイツのズィルト島産の塩と、コリアンダーの種を使用したビールだ。ハルツ地方にあるゴスラーが発祥のスタイルで、時代と共に消えつつあったが近年、その美味しさが見直されクラフトビールに取り入れられている。グレープフルーツの皮をかじったかのような香りとほろ苦さ。ほのかに感じる塩味がフルーティーな風味を爽やかに引き立てている。多様な文化が交差する港町だからこそ生まれた刺激的な味わいだ。

vol.18
Elbe Gose

Elbe Gose

 
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