ジャパンダイジェスト

旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

ベルリンにアメリカ発の苦~い醸造所がやってきた

ドイツの首都ベルリンは新旧が混在し、常に何かが生まれそうなエネルギーに満ちた街だ。ビールを取り巻く環境もアメリカやほかのヨーロッパ諸国からの刺激を受け、常に変化し続けている。伝統にとらわれない個性的な「クラフトビール」を造る醸造所も市内に多数誕生している。そんななか、ベルリン郊外にビールの新名所が誕生したのをご存じだろうか? そ れ が「STONE BREWING WORLD BISTRO & GARDENS」。アメリカの西海岸サンディエゴにあるストーン・ブルーイングが、ベルリン郊外にオープンさせた醸造所兼レストランだ。

ストーン・ブルーイングは1996年にアメリカで創立され、急成長を遂げた醸造所。アメリカンホップを大量に使用し、柑橘類のようなフルーティーな香りと鮮烈な苦みが特徴で、今やクラフトビールマニアで知らぬ者はいないほどの人気醸造所だ。

そのストーン・ブルーイングがヨーロッパに新鮮なビールを届けるべく、ベルリンに新醸造所を構えたのだ。古いガス工場を改装したレンガ造りの建物の中は、広々としたレストランフロアになっており、奥にはピカピカの醸造タンクが並んでいるのが見える。ここで飲めるビールは常時20種類以上。ベルリンで造られたものとサンディエゴのものがあるので飲み比べるのも面白い。さらに世界各国から集められた、マニア垂涎のクラフトビールも樽替わりで楽しめる。

ベルリン中心部からはやや距離があるが、やはり醸造所で飲む造りたてのビールに敵うものはない。醸造所見学ツアーも毎日開催されているので「勉学の秋」にも持って来いだ。

ストーン醸造所でまず飲むべきフラッグシップビールが「STONE IPA」。オレンジの皮をかじったような苦みが長く残り、一度飲んだら癖になる。何か新しいアイデアがひらめきそうな、パンチのあるビールだ。

vol.22
STONE IPA

STONE IPA

 
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