ジャパンダイジェスト

町のお祭りにおにぎりスタンドが出現!

ドイツ生活が長い日本人の中には、「今日はコンビニでおにぎりを買ってお昼にしよう」という行為を懐かしく思っている人も多いはず。その夢を叶えてくれるおにぎりスタンドがドレスデンに出店するという情報を得て、ライプツィガー地区で8月23~25日に開催されたヘヒトフェスト(HechtFEST)に急行しました。

このヘヒトフェストは、ヘヒト通り(Hechtstraße)および聖パウリ教会(St. Pauli-Kirche)を中心とした地元のお祭り。お約束のステージや自宅の不用品を並べた個人のお店、アイスクリーム屋さんなどに混じって、ひと際目を引く巨大なおにぎりが突き出たスタンドがありました。同店は、規模と騒々しさで群を抜くブンテ・レプブリック・ノイシュタット祭り(毎年6月開催)に初出店したところ、3日間で800個のおにぎりを売り上げたそうです。その時、おにぎりスタンドの前を偶然通り掛かったヘヒトフェストの実行委員が、一口食べて「美味しい!」と感激し、「うちのお祭りにも参加しませんか?」と招待。その場でヘヒトフェストへの参加が決まりました。

おにぎりマークをする上田さんと小倉さん
巨大なおにぎりが目印のスタンド

お揃いの作務衣を着て立っていた3人の店員さんは、研究者(細胞生物学)の上田さんと木工師の小倉さん、そして豚骨ラーメン店をドレスデンに出すことを夢見るソフトウェア・プログラマーのシュテファンさん。今回準備した具は牛肉のしぐれ、ツナマヨ、キノコ、タンタン味噌、梅干しの5種類で、一番の売れ筋は牛肉のしぐれだったそうです。

店頭で撮影
おにぎりスタンドを出したシュテファンさん、小倉さん、上田さんことサムエーズ

3人のおにぎりは、具の下準備から完成まで、すべて手作業。ドイツでは、おにぎりはケバブやピザのような市民権を得ているわけではありませんが、意外にもドイツ人が次々と買い求め、頬張りながら歩いていました。リピーターが多いそうで、おにぎりの美味しさが受け入れられたという証拠でしょうか。日本のアニメでおにぎりを食べるシーンを観て馴染みがあるという人や、「おにぎり」を正しく発音できる若者たちが多い一方、「スシとどう違うの?」という質問も聞かれ、市民権獲得までには、もう少し時間が掛かるかもしれません。近々、おにぎり屋の店舗を構える計画もあり、目下出店のスポンサーを探しているそうです。この夢を分かち合いたい方は、末尾のメールアドレスにご一報を。

食の好みは美味しいかどうかではなく、慣れが9割を占めます。「今日のお昼はケバブ? サンドイッチ? おにぎり?」という選択肢の1つに入るほど、ポピュラーになる日を楽しみにしたいです。

おにぎりスタンドを出展した上田さんの
HP: www.japan-produkt.de
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福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/

 

 
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