5月25、26日の2日間、高層ビルの街フランクフルトで「摩天楼フェスティバル(Wolkenkratzer Festival)が開かれました。実に6年ぶりの開催となったこの祭りでは、市内にある18棟の高層ビルが協賛し、建物内や周辺広場で計100以上ものイベントが行われました。
150トンもの砂を使って再現された摩天楼
高層ビルからパラシュートを背負ってのジャンプや、高く張られたワイヤー上でのバイクショー、命綱なしのアクロバット、地上150mの位置で行われるビル間の綱渡りなど、高さをテーマにしたアトラクションが次々に披露されました。また、150トンもの砂を使って摩天楼を再現したり、パレードしながらペイントされた車をワイヤーで吊るすストリート・パフォーマンスも行われました。夜には、ライトアップされた摩天楼の上に花火が打ち上げられ、会場は終日大盛り上がりでした。これらのイベントの観覧はすべて無料で、50mの高さからのバンジージャンプ、20人以上が座る椅子をクレーンで空高く持ち上げる「Sky-Seats」など、訪問者が参加できるイベントもたくさんありました。
フランスのパフォーマー「Generik Vapeur」による
ストリート・パフォーマンス
特に人気だったのが、協賛する18棟の高層ビル内部の一般公開。見学は完全予約制で、無料見学券の予約が開始されると同時に希望者が殺到し、瞬く間に完売してしまいました。私は幸運にも、欧州中央銀行(ECB)本店が入るユーロタワーの見学券を入手できました。
撮影禁止のオフィスフロアや、シンポジウムなどが開かれるというキッチン付きのレセプションフロアを見学した後、一気にエレベーターで最上階へ。窓の下にはフランクフルトの街並みが広がり、ドイチェ・バンクやコメルツバンク・タワー、マインタワーなどの建物が間近に建っています。隣り合う金融街のビルはもちろん、大聖堂や中央駅、マイン川と橋、来年ECBが移転を予定している建設中のビルなど、新旧の建物を見渡すことができました。
最上階には大きな会議室があり、部屋の端には通訳者ブース、テーブルの上にはマイクと何種類もの通訳を聞くチャンネルパネルがあります。ECB発足の年から今まで、欧州経済の中心を担ってきたユーロタワーからの眺めは本当に素晴らしく、普段は見られない高さから眺める景色は、いくら見ていても飽きないほどでした。
今回のフェスティバルには、2日間で約120万人もの人たちが訪れたそうです。いつもは遠くから見るばかりの摩天楼ですが、金融の街のシンボルとして一気に親しみが湧いた素晴らしいイベントでした。次回の開催日程は未定ですが、今から開催を心待ちにしたいと思います。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。