ベルリンのカイザー・ヴィルヘルム記念教会や広島の原爆ドームと同じように、第2次世界大戦の際に破壊されたままの形を留めている聖ニコライ教会。先日、その近くを歩いていると、廃墟のはずの塔の部分でエレベーターが上り下りしているではありませんか!「えっ、ニコライ教会にエレベーターなんてあったの?」と思い、友人に尋ねてみると、3年ほど前にできたのだとか。そこで、さっそく行ってみました。
ニコライ教会全景
エレベーターで昇れる高さは75メートルと、それほど高くはないですが、ここからの眺めはお薦めです!まず塔が壊れかけでふさがれていないので、外の景色を眺めながらエレベーターで昇って行くことができます。ただし、かなりのハイスピードなので、あっと言う間に75メートルに達してしまいますが。
この展望スペースからは、ハンブルク市中心部にある教会がぐるりと見渡せます。聖ペトリ教会、聖ヤコビ教会、聖カタリナ教会、そして聖ミヒャエル教会。ミヒャエル教会にも展望スペースがあることは知られていますが、そこからの眺めよりも、私はニコライ教会からの眺めの方が感動しました。特に、アルスター湖を背景とした市庁舎の眺めはまるで絵ハガキのようで、絶対にお薦めです。
会堂部分の地下には、1943年に爆撃を受けた当時のハンブルクの様子を見ることのできる記念博物館があります。この辺りも、広島の原爆ドームと似ていますね。戦争のもたらす悲惨さを正直に伝えて、そのような過ちを犯さないようにしたいという願いが込められています。戦争は良くないことだとみんなわかっているのに、いまでも世界のどこかで戦争は起こっています。人間は自分に災が降りかかってこない限り、なかなか実感できない弱い存在なのだなぁと思わされます。
展望スペースより市庁舎とアルスター湖を臨む
教会堂跡
聖ニコライ教会入場料
リフトのみ: 大人3ユーロ、こども2ユーロ
記念博物館のみ: 大人2ユーロ、こども1ユーロ
リフト+博物館: 大人4ユーロ、こども3ユーロ
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?