Hanacell

船がバレエを踊る!? ハンブルク開港祭にて

ハンブルク市の初夏の大イベントといえば、「ハンブルク開港祭」(Hafengeburtstag Hamburg)でしょう。その名の通り、ハンブルク港の誕生日を祝う毎年恒例のお祭りです。ハンブルク港は、今年で834歳になりました。

お祭りは5月最初の金曜日の午後から日曜日まで3日間行われます。ハンブルク港のあるランドゥングスブリュッケン駅からエルプフィルハーモニーの辺りまで続くエルベ川沿いプロムナ-ドには、屋台やマ-ケットが立ち並んでいます。さらに至るところで野外コンサ-トやイベントが催され、この3日間は特別ににぎわうのです。

華やかなプロムナード華やかなプロムナード

今年の開港祭は、約101万人もの人々が訪れたそうです。お祭りの間、大型豪華船や珍しい船の中を自由に見学することもできます。さまざまなイベントの中でも人気なのは、入港パレ-ド。たくさんの船たちが一斉にハンブルク港に向かって集まるのです。小さなヨットやボートをはじめ、大型客船や外国船などが汽笛を鳴らしながら港へ向かうパレ-ドを見に、エルベ川沿いは多くの観客で埋まります。

土曜日のイベントで注目されているのは、恒例の「Schlepperballett」、すなわち船のバレエです。このイベントのバレエダンサ-は、いわゆる「タグボート」といって、出入港する大型船や貨物船を引っ張って誘導する船。小さいけれど力持ちな、港には欠かせない働き者の船たちなのです。いつもは脇役の彼らがこの日だけ優雅なバレリーナになるというので、私も観に行ってきました。早めに出かけたにもかかわらず、港はもう観客でいっぱい。やっとのことで港が見える場所を確保し、開演まで大勢の人々にもまれながら待ちました。

踊るタグボートたち踊るタグボートたち

冒頭、ハンブルク市歌「ハーモニア」が流れ、タグボ-トたちが入場。クラシック音楽のワルツに合わせ、ちょっと恥ずかしそうに(?)ゆらゆらと踊り出しました! 今年の演目は3部からなる構成で、第1部はワルツを踊ります。第2部は今年初の試みとして、ハンブルクジュニアバレエ団のダンサ-たちが船上で「人魚姫」の一部を踊りました。残念ながら、私が見物していた所からはそのバレエを観ることができませんでした。第3部は、ポップな曲に合わせた船たちの陽気なダンスで、噴水や煙などの効果も取り入れて華やか。最後にはくるくると、ぎこちないピルエットまで披露してくれました。さすがに優雅とまではいえないけれど、とても愛嬌のある船たちのパフォーマンスに、観客の拍手が湧き上がりました。

カラフルな煙を上げて、最後のパフォ-マンスカラフルな煙を上げて、最後のパフォ-マンス

その夜、最後のイベントは花火大会。港の夜空に響く花火の音を聞きながら帰路につきました。

岡本 黄子(おかもと きこ)
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
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