vol 1
ワンコの楽園!?ドイツへ
ドイツに行くなんて聞いてない!
クレートに入り出発!まさかドイツへ行くとは……
「ギャンギャン!ウーワンワンワン!」1月のある日、成田空港に響き渡る猛犬の声。そこは犬の持ち込み禁止エリア、通り過ぎる人たちの視線が私たち夫婦に刺さります。この鳴き声、訳すと「どこ連れてくの?イヤだよ!出してよ!!」といったところでしょうか。鳴き声がするクレート(犬を運ぶケース)の中には、猛犬どころか小型犬が1匹。わが家の愛犬ジェイクです。
仕事の激務に疲れ、癒しを求めてふと立ち寄ったペットショップのガラスケースの中から上目遣いでじっと私を見つめてくる白い犬。「抱っこしてみませんか?」店員に促され、抱っこしてしまったが最後、寝ても覚めてもこの白い小さなワンコのことしか考えられなくなり、一大決心でわが家に迎えることにしました。とはいえ夫婦2人とも朝から終電近くまで働いていたため、近所に住む母に夕方立ち寄ってもらうまで、平日は一匹だけのお留守番犬。近所の犬もギャンギャン鳴くし、かみつかなければ多少やんちゃでもOK!と、甘やかし放題でしつけはほぼ皆無でした。
そんなジェイクがなぜ成田空港で吠えまくっているか?それは、夫のドイツ赴任が突然決まったから。狭い下町で一生を終えるはずが、デュッセルドルフまで約12時間のフライトに耐えなければならなくなったのです。
犬と一緒に飛行機に乗れる?
日本の航空会社では犬を客室に持ち込めないため、貨物室に預けます。また、ブルドッグやペキニーズなどの短頭犬種と呼ばれる「はなぺちゃ犬」は、熱中症や呼吸困難になりやすく、夏季の受け入れができないものや、通年で受け入れを中止している場合もあります。貨物といっても、動物を乗せる場所の飛行中の室温は客室内と同程度に保たれるそうですが、ジェイクも「はなぺちゃ犬」の一種、離れるのはとても心配です。
そこでさらに調べてみると、ルフトハンザ航空では規定の大きさのキャリーバッグに入れ、重さが合計8キロ以内なら客室内に飼い主と一緒に搭乗できるのだとか。が、しかし、うちのジェイク、バッグにおとなしく入ったことなんて一度もありません……。悩んだ末、念のため獣医さんに相談して酔い止め薬を処方してもらい、私たちが乗る直行便の貨物に乗せることにしました。
フライト前に検疫検査(身体検査など)を受け、チェックイン後はドイツ到着までしばしのお別れです。出入国に必要な処置(マイクロチップ装着や予防接種など)や書類は、半年ほど前から日本の動物検疫所やドイツ大使館のホームページで情報収集しましたが、細かい疑問が山ほど。これは、メール等で動物検疫所などに直接聞くのが一番正確でした。特に動物検疫所は丁寧に教えてくださり、事前に書類の確認もしてくれました。
ドイツ到着後、祈るような気持ちでジェイクのいる場所に走ると、倉庫のようなところにポツンとクレートが。あまりに静かなので急いで扉を開けると、ぼーーっとしたまま動きません。外に出すと走り出し、オシッコをガマンしていたようで、空港の柱にジャーッ。でも、元気そうで一安心!税関で書類等のチェックを受け、入国も完了。さて、ドイツは本当に犬の楽園なのか?ジェイクのドイツ暮らしの始まりです。
ペットの輸出入についての詳細:
動物検疫所 www.maff.go.jp/aqs/animal
ジェイクが教える!
ワンコ目線のお役立ちTipp
「犬にも税金がかかるんです」
ドイツでは、犬を飼うと「犬税」を払う義務があるんだって。ボクのお父さんも、ボクがドイツに到着してからインターネットで登録して年間96ユーロ払ったんだ。金額は自治体や飼っている犬の頭数によって違うんだって。手続きが完了すると、市から鑑札(写真参照)が送られてくる。これは犬税を払ってる印。ボクも散歩に行くときはこの鑑札をいつも付けてるよ。それともう一つ、ボクがドイツに到着したときに、ドイツの税関のお兄さんに「この犬どこで、いくらで手に入れたの?」ってお父さんが聞かれて正直に答えたら「じゃあこちらで税金を支払ってください」って、お父さん連れて行かれちゃった。入国のときも税金かかるって知らなかったからボクもビックリ!!
犬税の鑑札(2015年のもの)