先日、グラッシー博物館の中庭で開催された第7回陶器市に行ってきました。この陶器市は芸術団体テッラロッサ(Kunstverein terra rossa e.v.)により2013年に初めて企画されて以来、気候の良い6月に毎年2日間にわたり開催されています。入場料は無料です。昨年はコロナの影響で残念ながら1年延期になってしまったため、念願の開催でした。
会場のグラッシー博物館の中庭は緑がたくさんあり、過ごしやすかったです
ドイツ全土だけでなく、ポーランドやオランダから約50の窯元が、芸術団体テッラロッサとグラッシー博物館の職員によって厳選されています。お皿やマグカップ、花瓶などの実用的な陶器から、さまざまな技術で表現された磁器、アーティストとコラボレーションした作品、陶器で作られたアクセサリーや置き物など、多岐にわたる作品が集められていました。
この陶器市では作家さんから直接購入できることもあり、全体的に手に取りやすいお値段です。もちろん、大きな観賞用の置き物など高価なものもありますが、日常使いの食器やアクセサリーなどはどれもお手頃な印象でした。
日本の陶器を連想させる作品を販売していた窯元のアナガマ・クルーガー
会場では、開場の10時に合わせて多くの人が入口付近に列を作っていました。 また、芸術団体テッラロッサによる、絵付け、手びねり、ろくろのワークショップもあり、子どもも大人も初めての陶芸体験を楽しんでいるようでした。お客さんたちは各々目当ての作家さんの元へ行き、作家さんから技法やコンセプトなどを直接聞くこともできます。
ベルリンから出店していた窯元は、アーティストがカラフルに絵付けをした1点ものの器を販売していました。一つひとつ違うデザインの器で、お気に入りを選ぶのは楽しくも難しかったです。また、女性の作家さんの窯元のブースでは、女性器のモチーフの絵付けや月経カップの収納箱などが展示されていました。
ワークショップでは大人も子どもも集中して、思い思いに創作を楽しんでいました
会場を歩き進んでいくうちに、折り紙を連想させるデザインの陶器が並んでいるなあと思ったら、ドイツ国内で活動されている日本人の作家さんでした。お客さんが多く、ゆっくりお話は伺えませんでしたが、日本独特の繊細さと作家さん自身の雰囲気がうまく合わさったスタイリッシュな作品です。日本人の作家さんの作品を、まさかライプツィヒで見ることができるとは思っておらず、とてもうれしくなりました。
選ばれた作家さんは年齢も作風も多岐にわたり、幅広い層が楽しめるイベントでした。今回私はお茶碗にぴったりのサイズの器を探していたのですが、いいサイズの器がなかなか見つからず、残念ながら購入できずに終わってしまいました。次回こそは、ときめく作品に出会えたらうれしいです。
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。