今回は、ライプツィヒの西地区にあるプラグビッツで毎週土曜日に開催されているSamstagsmarktをご紹介します。会場は、ドリンク類を販売しているEgenberger社の卸売倉庫の隣にあるマーケットホール。2019年8月から行われているこのマーケットでは、周辺地域で作られている厳選された果物や野菜、パン、チーズ、蜂蜜などの食料品が購入可能です。さらに、ライプツィヒの街中のカフェやレストランが手打ちパスタやお惣菜を販売するなど、個人の出店もあります。
ラーメンと苗とコロッケを売っていた、あきこさん(右)とみゆきさん(左)
マーケットではゴミが出ないように配慮され、お客さんへのタッパーや袋の持参を促しています。実際にほとんどのお客さんが、持参したタッパーなどに商品を入れて持って帰っていました。今回、このマーケットに出店しているみゆきさん、あきこさんにお話をうかがいました。みゆきさんは、「自分の家族のために作るものと同じような、おいしく健康的で、化学調味料の入ってないご飯をできるだけ地産地消でみんなにも届けたい」と、出店への思いを語ります。おすすめは季節の野菜を使ったコロッケで、マーケットでは常時7種類ほどを販売。「人気なのは、ザウアークラウトとゴマのコロッケです。ほかにも、黒糖饅頭、ゆべし、大福やキムチも販売しています。ソースなども全て手作りなので、何が入っているか、時にはお客さんからレシピを聞かれることも」。マーケットではお客さんと対面で、おしゃべりしながら楽しくスタンドに立っている姿が印象的でした。
あきこさんオススメのKOMBUCHA(コンブチャ)は、ビールに混ぜてもおいしかったです
あきこさんは、知人から「ここに来たら、環境負荷が少なくておいしい地元の季節のものを1週間分買えるよ!」とマーケットの存在を教えられ、サステナブルなコンセプトに共感したことから出店を始めたといいます。「当初は、食育プロジェクトの一環として、子どもがバルコニーでも育てやすい野菜の苗を売っていました。すると思いのほかシソの苗がよく売れたので、シソシロップも作ってみることに。現在ではシソシロップの製造でザクセン州の助成金をいただけることになり、食ビジネスの分野にも足を踏み入れ始めました」。このようにSamstagsmarktは、食に関するビジネスを始めたい人にとって、さまざまなアイデアを試すことができる場でもあるそうです。「マーケットに参加して2年目になると、お客さんやマーケットに出店しているスタンドの人たちとの関係もできてきました。私にとっては、ドイツ語のいい実地訓練にもなっています」とのこと。秋冬の苗のない時期には、ラーメンやあんぱんを販売しており、そちらも好評です。
ザクセントリュフとも呼ばれる、ハーブでコーティングされた羊チーズ店
お二人が語るように、お店の人におすすめ商品や食べ方を聞いたりできる、雰囲気の良いマーケットでした。季節によって出店者や商品が変わるので、何度行っても新しい出会いがあり、楽しめると思います。
Samstagsmarktのインスタグラム:@samstagsmarkt
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。