ドイツのケーキといえば、昔、私が幼い頃に祖母が作ってくれたシュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ(Schwarzwälderkirschtorte)やフランクフルタークランツ(Frankfurter Kranz)、ドナウヴェレ(Donauwelle)などが思い出に残っています。私の祖母はドイツ人で、ヘッセン州のリンブルクという街に住んでいましたが、日曜日のティータイムにはドイツ各地のさまざまなケーキを焼いてくれました。
ドイツはケーキの種類が多く、甘いけれど、フルーツがたっぷり使われていておいしいですよね。個人的には、家庭でのケーキやパン、ピザ作りなどは、コロナ禍で巣ごもり生活が続くなか、さらに身近になったように感じます。
日本産米粉で作ったドイツ発祥のアプフェルシュトロイゼルクーヘン
さて、2月の上旬に日本食品海外プロモーションセンターによって、ドイツにおける日本産米粉の認知度を上げるためのオンラインワークショップが開催されました。そこでは日本のさまざまな米粉事業者とともに、今回アンバサダーシェフに選ばれた、ミュンヘンでケーキ店「tanpopo」を営む岡田かな子さん監修の米粉を使ったケーキのレシピが紹介されました。
岡田さんが考案したのは、「日本産米粉のアプフェルシュトロイゼルクーヘン」(Apfelstreuselkuchen)。これはクランブルの載ったリンゴのケーキです。私も実際に作ってみたのですが、日本産米粉を使うことで本来のずっしりとしたドイツ版のこのケーキに比べて、ふわふわで舌触りが軽い仕上がりに。その一方で、クランブルのサクサク感はそのままでした。また、ポン菓子を連想させるようなほんのり甘い後味も残るので、酸味のあるリンゴとも相性抜群! 小麦粉を米粉に置き換えるだけでこんなに違うのかと、可能性がぐんと広がりました。普段食べているドイツのケーキにアレンジを加えてみたい方、グルテンフリーのケーキを食べたい方は、ぜひユーチューブの動画を視聴しながら作ってみてください。
ワークショップでケーキの作り方を伝授する岡田さん
今日ではドイツの食文化もどんどん多様化、国際化してきています。アジア系のレストランやスーパーマーケットは、私が17年前にミュンヘンに住んでいた頃と比べても著しく増えました。ドイツ人は伝統を重んじ、新しい商品を売買することに対して慎重な印象がありますが、一方で、一度受け入れられた商品は長く愛されるという良さもあります。
地域に愛され続けているケーキ店「tanpopo」
ちなみに、岡田さんがミュンヘンで営むケーキ店「tanpopo」の最寄駅はMaillingerstraße(U1)。カフェスペースはいつもにぎわっており、抹茶ミルクレープやイチゴのショートケーキ、メロンパンなど、日本のスイーツも豊富に並びます。ぜひ皆さんも訪れてみてください。きっと懐かしい味に出会えます。
りんごケーキの作り方動画:www.youtube.com/watch?v=9kX01UVv538
Tanpopoのインスタグラム:@konditorei_tanpopo
ミュンヘン生まれ、10歳ごろから京都育ち。大学卒業後、再びミュンヘンに戻る。もともと異文化教育や日独間のコミュニケーションに興味があり、ドイツのPR会社Storymakerに就職。J-BIG編集部として、在独日系企業の情報発信も行っている。 www.j-big.de