新春恒例の寒中水泳大会が、今年も「Dreikönigstag(三王礼拝の日)」の1月6日にミュンヘンの北東に位置するエルディング(Erding)近くのクローンタール湖(Kronthaler Weiher)で開催されました。今回はその様子をお伝えしたいと思います。
例年になく穏やかな天候が続いていたミュンヘン地方ですが、この日の天気は寒中水泳大会にふさわしく朝から雪まじり。午後になって雪は止みましたが、それでも開会スピーチが行われた16時頃には冷たい雨が降ってきました。気温3℃、水温4℃という極寒の中、勇気ある47名の参加者たちは、まずスポーツウェアに身を包み、身体を温めるために湖周辺を10分程ジョギングします。その後、湖に入るわけですが、その際には規定により水着以外のウェアの着用は禁止されています。つまり、防寒性の高いウェットスーツなどは着用できません。もちろん、水中にいる時間や移動距離に最低限の決まりはなく、「楽しく首まで水に浸かること」が目標です。
さあ、元気良く湖へ!
思わず悲鳴が上がります
ジョギングを終えた参加者は、湖畔の小屋でスポーツウェアを脱いで観客の前に登場……となるはずですが、やはり寒いので皆さん躊躇(ちゅうちょ)している様子でした。そのうち、若い男性のグループが勢い良く湖に飛び込むと、ほかの人たちも続きます。水に入った瞬間に上がる悲鳴!本当に冷たそうです。でも、その瞬間を超えると吹っ切れたように肩まで水に浸かり、後はパーティーのような盛り上がりで水の中を漂っています。中には50メートルほど沖まで泳ぐ強者も出てきて、結局、すぐに水から出てしまう参加者はおらず、制限時間の5分が経過しました。たった5分とはいえ、凍てつくような寒さです。見ているだけの私にも、とても長く感じられました。
日本やロシア、欧州諸国でも盛んな寒中水泳大会ですが、「身体に良い」とう説もあれば「いや、健康を損ねる恐れがある」と言う人もいて、評価はさまざまです。人によって向き不向きがあるということかもしれませんね。
さて、ノンアルコールビールを造り、各種スポーツ・イベントのスポンサーになっているエルディング・ビール醸造所のあるこの街では、毎年トライアスロンとシティー・マラソンも行われています。子ども向けからオリンピック・ディスタンスまでさまざまなカテゴリが設けられ、1500人以上が参加するトライアスロンは今年、6月16・17日に開催。そして、9月23日には10キロのシティー・マラソンが行われます。体力作りのために、皆さんも参加してみては?
観客の前でポーズを取る参加者たち
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。