ミュンヘン、いえ、バイエルン名物の白ソーセージ(Weißwurst)。最初は甘いマスタード(Süßer Senf)を付けて食べることに驚きましたが、今ではそれ以外の組み合わせが考えられない、美味しい郷土料理です。当地では、「バイエルン風朝食」としてヴァイスビア(Weißbier)と共に楽しむ人もいます。
さて、そんな美味しい白ソーセージ の王者を決める毎年恒例のコンテスト「Weißwurstpr üfung」が、今年もミュンヘン食肉販売同業社組合の主催で開かれました。由緒ある同コンテストには、ミュンヘンのお肉屋さんなら誰でも立候補できます。
香草と一緒に温める。絶対にお湯を沸騰させてはダメ!
コンテストの流れは、まず主催者が直接お肉屋さんの店頭で白ソーセージを購入。普段お客さんに提供されているものと同じ品が、食肉マイスターや食品専門家、獣医、ホテル経営者、レストラン関係者、消費者代表などで構成される審査員の厳しいチェックを受けることになります。審査の対象となるのは外見と中身。素材の品質が一定であるか、香りはどうか、そしてもちろん味はどうか……など、多くのチェック基準が設けられています。この審査と並行して白ソーセージは食品研究所に送られ、科学的にも厳しく解析されます。そして、総合点に応じて金、銀、銅の栄えある賞が授与されるのです。
毎年約40店が参加し、ファッシング前に行なわれるこのコンテスト。今年、見事金賞に輝いたのはディーター・アオゲンターラー(Dieter Augenthaler)、マグヌス・バオホ(Magnus Bauch)、ベック(Beck)、ボーネベルガー (Boneberger)、フランク・ブル(Frank Burr)、フリーデル(Landmetzgerei Friedl)、ヤイス(Jais)、ローラント・ クフラー(Roland Kuffler)、ディー ター・リーボルト(Dieter Liebold)、 モーザー(Moser)、ヴィンツェンツ・ ムル(Vinzenz Murr)、カール・ライ ヒルマイル(Karl Reichlmayr)、ルー トヴィヒ・シェルコプフ(Ludwig Schelkopf)、ヨゼフ・シュタードラー(Josef Stadler)、イグナツ・フォグル (Ignaz Vogl)の15店と職業訓練学校の白ソーセージでした。ご近所にいずれかのお店がありましたら、ぜひお試しあ れ! なお、白ソーセージをボイルする際は、お湯に塩とパセリ、ネギ、レモンを入れるのがミュンヘン流だそうです。
美味しそう! 店頭でも一際目を引く白ソーセージ
さて、ソーセージのお供に欠かせな いブレッツェルの起源には諸説あるよですが、「あまりにも腕が悪くて処刑されそうになったパン屋が、縛り首を免れるために苦し紛れに考案した新しいパン」という説もあるとか。ちなみに、ブレッツェルという名前は「腕」を意味 するラテン語「Bracchium」から来ていると言われます。このパンが、腕を組んだような形をしているからですね。
何はともあれ、あとはお気に入りの甘いマスタードを添えて、グーテン・アペティート!
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。