長い冬が終わり、春がやって来ました。冬の間になまってしまった身体を動かして、太陽をたっぷり浴びたくなる季節です。バイエルンには新鮮な空気と美しい風景を楽しめる場所がたくさんありますが、今回は、ミュンヘンの南東50kmに位置するテーゲルン湖(Tegernsee)をご紹介します。ここは、ミュンヘン中央駅から直通電車で約1時間とアクセスが良いため、ミュンヘン市民が気軽に訪れることができる憩いの場として愛されています。特に週末は、多くの人で賑わいます。
秋には紅葉を楽しめるテーゲルン湖周辺の散策道
テーゲルン湖は、幅約1.4km、長さ6.5kmの細長い形をしています。氷河期の終わり頃に、氷河によって侵食された土地に水がたまって形成されたのだそうです。現在、湖の周囲には水質保全システムが設置され、バイエルンで最も水質の良い湖の1つとして知られています。天気の良い日には、ウインドサーフィンやヨットなどのウォータースポーツを楽しむたくさんの人々を見掛けます。湖の周辺はほぼ公共エリアで、20kmに及ぶウォーキングコースや自転車道、子どもが遊べるプレイエリアや水遊び場などがあり、よく整備されています。また、どこからでも水辺の景色を楽しむことができます。
冬の太陽に照にらされ、冴え渡るテーゲルン湖
さて、自然を満喫したら、地ビールで喉を潤してはいかがでしょうか。1050年以来の歴史を誇る醸造所ヘルツォーク・バイエリッシェス・ブラウハウス・テーゲルンゼー(Herzog Bayerisches Brauhaus Tegernsee)の直営レストラン、ヘルツェークリッヒェス・ブロイシュトゥーベル・テーゲルンゼー(Herzögliches Bräustüberl Tegernsee)は、もともとはベネディクト派の修道院が創設した醸造所ですが、バイエルン王家が所有権を得てからは、王族や貴族の夏の社交場として有名になりました。現在は、美しい双子の塔のあるテーゲルンゼー城(Schloss Tegernsee)前の湖畔で、地元の人や観光客にバイエルンの味とホスピタリティーを提供しています。
華やかなテーゲルン湖周辺から東へ10kmほどに位置するシュリエー湖(Schliersee)はアルプスに近く、落ち着いた静かな雰囲気で、のんびりと時間を過ごすには最適です。毎年6月には、オリンピック・ディスタンス(51.5km)のトライアスロン大会(Alpen-Triathlon)が開催されることで知られています。ここからさらに南へ10km、アルプス山中を登って行くと、 高地にある湖としてはバイエルンでは最大の、シュピッチング湖(Spitzingsee)に到着します。湖周辺の山にはロープウェイも設置されていますので、気軽に絶景ハイキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
Herzog Bayerisches Brauhaus Tegernsee: www.braustuberl.de
www.cafe-katzentempel.de日独の自動車部品会社での営業・マーケティング部門勤務を経て、現在はフリーランスで通訳・市場調査を行う。サイエンスマーケティング修士。夫と猫3匹と暮らし、ヨガを楽しむ。2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。