1100種類の動物と5800種類の植物。シュトゥットガルト・ヴィルヘルマは、ドイツで2番目に種類が豊富な動植物園として世界的にも有名です。この季節は春の花々が咲き乱れ、宮殿風の庭に風情を添え、まさに都会のオアシスです。
エキゾチックな植物や鳥から、カンガルー、ペリカン、ワニ、コウモリ、クモ、コガネムシまで。孔雀がぶらぶらと室外を自由に歩き回り、南国の色鮮やかな花の間を蝶々がひらひらと飛んでいます。蟻の巣の断面や鳥の孵化の流れなど、見せ方にもいろいろ工夫してあって、大自然のさまざまな不思議がビジュアル的に展示され、生命の知恵と強さに感動を覚えます。
上品な空気が漂うサボテンの温室
美しいムーア式の建物の温室にモダンなチンパンジーの飼育小屋など、この動植物園の建築も一つの見どころ。驚いたのは、チンパンジーの小屋に飼育員が入り、チンパンジーと一緒に遊んだり、人間の赤ちゃんのようにチンパンジーの赤ちゃんを抱き、哺乳瓶でミルクを与えていたことです。21世紀の、人間と動物の新たな関係を象徴しているかのようです。
また今、特にスポットライトが当たっているホッキョクグマの赤ちゃんWilbär。昨年12月に生まれたこの赤ちゃんは今年の4月から一般公開されていますが、彼を目当てにやってくる人々は毎日長い行列を作り、平均待ち時間は2時間だとか。
人気もののWilbärちゃん
小春日和は遊園日和
この動植物園の前身は19世紀半ば、ここヴュルテンベルクの王様ヴィルヘルム1世によって造られた浴場施設で、王様の名前にちなんでヴィルヘルマという名前がつけられたそうです。当時の流行でオランジュリーが造られ、そこは現在、温室になっています。第2次大戦中にほぼ全壊したにもかかわらず、戦後に復興し、毎年のように増改築を繰り返しながら常に再建のため努力をしてきたことが報われ、今では年間200万人の来園者を迎える人気ぶりです。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/