私の街のレポーター シュトゥットガルト Stuttgart

美味しいドイツパン発見！ 日本に留学していたドイツ人の友人いわく、「日本の食卓には美味しい食べ物がたくさんあって、国際的ではあるけれど、パンだけはドイツに負けている」とのこと。ドイツ人が絶賛する美味しいドイツパンに、シュトゥットガルトで出会いました。それは、エーゼルスミューレ（Eselsmühle）という同市近郊の製粉場から届けられるオーガニックパンです。この製粉場の特長は、21世紀の今日でも製粉に水車を利用していること、そしてなんと言っても昔ながらのスローな手順を忠実に守り、薪オーブンでパンを焼いていることです。

水車へのこだわりは、粉を挽く際に不要な熱を与えないため、また遠心力による負荷を配慮しているためだそうです。アイフェル地方の火山石でできたオーブンで、モミとトウヒ、薪のみを燃料として焼き上げます。オーブンにはスイッチなどが一切付いていないため、温度調節はとことん職人の経験と勘にかかっています。火加減の調整はやはり至難の業のようで、時々いつものパンより黒っぽくなることもありますが、風味に影響はなく、むしろ手作り感が出ていてなかなか素敵です。薪オーブンで焼くためか、パンの日持ちが良いのも利点です。私が買ったやわらかめのパンは、1週間弱置いてもまだ硬くなりませんでした。。

買いたてのRübliherz。断面はかわいらしいハート型

いろいろ買ってみて、私が特にお勧めしたいと思うのはRübliherz という、にんじん入りの全粒粉のパンと、Dinkelsonne というディンケル小麦粉から作られたパンです。ディンケルとは小麦の原種にあたる古代穀物のことで、 ビタミンやミネラルを豊富に含んでいるため栄養価が高く、最良の食物繊維の供給源とされているドイツのオーガニック食品の中でも、最も重要な食材の1つです。どちらのパンも、バターを塗ってそのままいただくか、Rübliherz の場合は香りが良いのでジャムなどとの相性もバッチリです。その他、白パンやライ麦パン、さまざまなアレルギーに配慮したパンやケーキもあり、その種類はなんと100を超えています！ 。

お買い求めは、エーゼルスミューレの 本店はもちろん、シュトゥットガルトおよびその周辺のオーガニック食品店、例えばNaturgut やBasic、ERDI、シュタットミッテのFeinkost などでもできます。一部地域では、土曜に出るマルクトでも買えますよ。詳しい情報はエーゼルスミューレのウェブサイトをご覧ください。

www.eselsmuehle.com

部屋中、ファンタジーの世界

郭映南（かくえいなん） 中国生まれの日本国籍、ドイツ在住。人生の1/3以上は海外。ケルン→マールブルク→シュツットガルト、拠点を転々としながら、ドイツ語とダンスと写真を学ぶ。現在、Stuttgart造形美術大学で視覚デザインの研究生。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/