秋も深まった11月11日、シュトゥットガルト市内中心部のローテビュール広場(Rotebühlplatz)にある文化センター「Treffpunkt」で、異文化交流イベント「文化の日」が開催されました。通常、この建物は市民大学(VHS)の教室やギャラリーとして使われていて、どちらかというと静かで学校のような雰囲気を醸し出していますが、この日はカラフルに彩られ、美味しそうな匂いが……。中では世界各国の50の文化団体による様々なイベントが行われ、1階の入り口付近から3階まで、友達や家族連れなど、多くの人々で賑わっていました。
プログラムは実に豊富。12~19時のタイムテーブルには、ダンスや音楽演奏、演劇、映画、料理などのワークショップがびっしりと書き込まれていました。また、廊下には様々なインフォメーション・ブースがあり、訪問者が各国の「ママお手製」の家庭料理や、普段はあまり見かけないエキゾチックな食材を試すことができるようになっていました。
華やかなベリーダンスの舞台
まずは、ベネズエラやチリの民族舞踊、そしてフラメンコやベリーダンスの舞台を鑑賞。いずれもプロのダンサーによる舞いではないようでしたが、ラテン系の情熱や中東の神秘的な美しさが十分に伝わってきました。その後、インフォメーション・ブースも見て回ったのですが、どの料理も、あまりにも美味しそうで、ついついあれこれつまみ食いをしてしまいました。私が一番気に入ったのは、アフリカ料理。ピーナッツソースで和えた焼きバナナとクスクスの組み合わせは、もう最高! チュニジア料理の野菜炒めも、玉セロリとレモングラスが絶妙なハーモニーを奏でていて、アジア料理とも西洋料理とも違う新しい発見でした。このほか、色とりどりのスイーツや南国のフレッシュジュース、風味豊かな中国茶などがありました。
インフォメーションブースに並んだ、レストランでは味わえない家庭の味
ブースに立つ人々は各出身地の民族衣装を身にまとい、会場内でも一際目立っていました。バハマのブースでは、陽気な音楽に合わせて皆が踊りながら訪問者をお出迎え。五感をフル活用しながら場内を回っていると、日帰りで世界一周の旅をしているような気分になりました。
最後に、ワークショップを覗いてみると、普段はダンス教室として使用されているホールで、子どもからお年寄りまで、誰もが気軽に参加できるベリーダンスのワークショップが行われていました。
ただ、残念ながら日本のブースは見当たらず、多くの国名が並ぶプログラムにも、日本と関係するものは1つもありませんでした。日本の文化や美味しい食ベ物を紹介できる場なので、来年こそは日本勢の参加を期待したいところです。
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/