はじめまして! 今月からドレスデンのレポーターを務めさせていただく芳野美歩です。これからドレスデンのレポーターとして、文化や建築物などはもちろん、元インドア派だった私でさえもとりこにした、ドレスデンの魅力溢れるアウトドア情報もお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、第1回目のレポートはドレスデンの冬の代名詞といっても過言ではない、クリスマスマーケットについてです。例年11月下旬になるとマーケットが開催され、なかでも中心地アルトマルクトの「シュトリーツェルマルクト」は欧州最古といわれています。なんとその起源は1434年にまでさかのぼります。
マーケット入り口。裏にある階段を登るとマーケット全体を一望することができる
今回、開催初日である11月23日(水)にシュトリーツェルマルクトを訪れました。平日の午後5時だったので比較的空いているかと思いきや、マーケットはすでに多くの人々で大にぎわいです。広場の中心には大きなクリスマスツリーがあり、その周りには飲食や雑貨の店がたくさん並んでいました。ほかにもくるみ割り人形のデコレーションや観覧車、お菓子の家なども。年代を問わず大人から子どもまで、温かいドリンクを片手にクリスマスの雰囲気を楽しむ姿は、どこかテーマパークと似たわくわく感を覚えました。
店のデコレーションもこだわりが感じられる
シュトリーツェルマルクト限定マグカップ。取っ手部分のミトンがかわいい
また、このマーケットで忘れてはならないのが「シュトレン」です。シュトレンはドイツのクリスマスに欠かせないお菓子ですが、実はドレスデンが発祥の地。表面には白い砂糖がたっぷりとまぶしてありますが、その見た目から白いおくるみに包まれた幼子イエス・キリストを連想させます。そのことから、今からおよそ700年前、ナウムブルクの司教にクリスマスに贈られ、以降多くの人々に親しまれてきました。実は「シュトリーツェルマルクト」の名前も、シュトレンが由来となっています。
現在でも11月になると、ドレスデンのカフェやスーパーなど至る所にシュトレンが並び、クリスマスシーズンの訪れを感じます。また同じシュトレンといっても、お店やカフェによって特徴はさまざま。レーズンたっぷりの甘口、バターが香るしっとり系、オレンジピールやスパイスが効いた大人の味などなど……自分のお気に入りを見つけるのも、ドイツのクリスマス文化を味わう醍だいごみ醐味ですね。
私が渡独した当初、ドイツの冬の寒さと一日の日の短さに驚きを隠せませんでした。そんな静かな闇の中に光り輝くドレスデンの華やかなマーケットは、まるで映画か舞台の世界のようで感動したことを鮮明に覚えています。ドレスデンのシュトリーツェルマルクトは11月23日(水)〜12月24日(土)までの開催です。行動制限のない3年ぶりのクリスマスマーケット。皆さんもぜひドレスデンにお越しください!
高校・大学時代にカナダと英国へ留学し、日本での就職を経て、2020年10月に渡独。現在はドイツのおにぎり屋さん「Tokyo Gohan」にて広報および経理をサポート。趣味はロードバイクとランニング。ドイツ国内外の旅行兼マラソン大会出場のため、日々トレーニング中!