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幸せはどこで感じるの?「Hello Happiness!」展

突然ですが、皆さんはどんな時に幸せを感じますか?また体のどの部位でその感情を感じますか?「幸せ」と一口にいっても、その理由やタイミングは人によってさまざまです。しかしながら、世間一般では「幸せである」ことは良いこととされ、また多くの人々が潜在的に望んでいると考えられます。一体なぜ人は幸せを求め、どのような状況において幸せを感じるのか。そんな疑問への鍵となる展覧会「Hello Happiness!」が、ドレスデンのドイツ衛生博物館にて11月19日(日)まで開催されています。

博物館は公園に隣接しているので、お散歩コースにも博物館は公園に隣接しているので、お散歩コースにも

この展示はロンドンのクリエイターと同博物館のコラボレーションによって実現されました。Loslassen(開放)、Fühlen(感情)、Hoffen(希望)、Gemeinsam(共同)、Ruhe(静寂)、Natur(自然)という六つのカテゴリーから構成され、幸せの仕組みや体へのメリットという基礎から、幸福心理学の歴史や「幸せを商品化する」というマーケティング戦略まで、内容が非常に豊かでした。

「Q. 幸せを感じた瞬間は?」「A. コロナ後の再会」「Q. 幸せを感じた瞬間は?」「A. コロナ後の再会」

なかでも興味深かったのは、冒頭にも触れた「体のどこで幸せを感じるか」についてです。Fühlenのコーナーでは、幸せなどの感情を生物学と心理学の観点から掘り下げて説明していました。前述の問いを含め、世界や地域によって考え方が違うということを学べます。17世紀前後の欧州では、人の体と魂は独立しており、両者は相互に作用しているとされていました。また感情は胸や胃、みぞおち、ひたいの辺りで感じるという考えがあります。

一方、同時期の中国では、人の心臓が体と魂の中心的役割を担い、心臓が全ての臓器、判断、感情の司令塔と考えられていました。余談ですが、現代でも日本語では「胸(心臓)がドキドキする」と言いますが、ドイツ語や英語で同じ意味となる表現は「Schmetterlinge im Bauch」(お腹の中に蝶々がいる)と、胃を使って表現しています。時代を超えても、いまだに当時の身体感覚や考えが言語に影響していることに気付き、感動しました。

来館者によって描かれた「幸せ」の顔たち来館者によって描かれた「幸せ」の顔たち

今回ご紹介したドイツ衛生博物館ですが、同館では毎回興味深いテーマが扱われており、私自身も定期的に今後の展示予定をチェックしています。過去には、「未来の食生活」、「AI と人間」、「真実と嘘の関係」などをテーマにした展覧会が行われていました。ちなみに今年11月からは、スイスチームが研究した「北朝鮮とその文化」についての展示が予定されています。日本で生まれ育った自分にとっては身近なテーマですが、欧州からの目線ではどのように描かれるのか、今から楽しみです。今回の「Hello Happiness!」展はもちろんですが、常設展も含め大変見応えがある博物館です。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

芳野( よしの ) 美歩( みほ )
高校・大学時代にカナダと英国へ留学し、日本での就職を経て、2020年10月に渡独。現在はドイツのおにぎり屋さん「Tokyo Gohan」にて広報および経理をサポート。趣味はロードバイクとランニング。ドイツ国内外の旅行兼マラソン大会出場のため、日々トレーニング中!
 
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