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イルミネーションよりまぶしい!?ドレスデン城の「緑の丸天井」

寒さが本格化する12月、ドレスデンはクリスマスマーケットの輝きでぱっと華やかになります。この時期のドレスデンは、まるで舞台セットや童話の中かと毎年うっとりするほど。今回はそんなクリスマスの輝きにも勝る(?)、ザクセン王家の宝物所蔵室「GrünesGe wöl be」(緑の丸天井)をご紹介します。

平日・休日問わず多くの人が訪れる「緑の丸天井」平日・休日問わず多くの人が訪れる「緑の丸天井」

緑の丸天井は市内中心部のドレスデン城の中にあり、今年で300周年を迎えました。ザクセン王家が所有した宝飾品や宝石、美術品などの貴重なコレクションが所蔵されています。所蔵室はバロック様式で建築されており、室内装飾や展示品、家具、細部までを含めた「総合芸術」としての美が特徴です。展示室に一歩足を踏み入れると、美しい展示とそれらを彩る歴史的内装に、まるで当時にタイムスリップしたように感じました。所蔵室は九つの広間に分けられていて、琥珀や象牙、金細工、宝飾品、ブロンズの小像などが数え切れないほど展示されています。

ふんだんに金が使用されている天井ふんだんに金が使用されている天井

なかでも印象的だったのは、銀メッキの広間と至宝の間です。銀メッキの広間には、16〜17世紀の作品が所狭しと飾られていました。こっくりとした深みのある緑色の壁は金銀の輝きをさらに際立たせ、さらに大きな合わせ鏡が、この空間が永遠に続くかのように演出しています。またゴブレットのコレクションの中には、ドレスデン近郊の城の形や、高さ50センチほどのフクロウのモチーフなどがありました。フクロウは「おとりの鳥」とされていたことから、このゴブレットは「酒への誘惑」という意味もあったのだとか。作品に込められた意味を考察するのも楽しいですね。

次に、至宝の間です。広さ200平方メートルもある所蔵室最大のこの広間では、装飾に金や鏡がふんだんに使用され、まずその壮麗さに圧倒されました。ダチョウの卵や夜光貝など、珍しい自然物の作品も展示されています。なかでも、ダチョウの卵の殻を使ったゴブレットは表面が薄く削って作られていて、レースやオーガンジーのような透け感と繊細さがありました。この広間の奥の大きな窓際には、アウグスト3世の等身大の肖像画が飾られています。その眼差しは所蔵室の近くを流れるエルベ川に向けられていて、まるで300年たった今もこの地を見守っているかのようでした。

細部まで凝った装飾が施されています細部まで凝った装飾が施されています

緑の丸天井では、シングルチケットとコンビチケットの2種類があり、後者はレジデンス城や選帝侯ギャラリー、王家の武器コレクションも訪れることができます。レジデンス城の豪華さは言わずもがなで、一見の価値あり。無料のオーディオガイドも準備されていて、日本語もありました。

これからの季節、ドレスデンのクリスマスマーケットを訪れる方も多いでしょう。「マーケットは少し暗くなってから行きたい」という方には、日中の観光では「緑の丸天井」が大変おすすめです。それでは、今年のホリデーシーズンがすてきなものとなりますように!

芳野( よしの ) 美歩( みほ )
高校・大学時代にカナダと英国へ留学し、日本での就職を経て、2020年10月に渡独。現在はドイツのおにぎり屋さん「Tokyo Gohan」にて広報および経理をサポート。趣味はロードバイクとランニング。ドイツ国内外の旅行兼マラソン大会出場のため、日々トレーニング中!
 
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