いよいよ秋も深まってきましたが、今回は本格的な寒さ到来の前に楽しみたいフランクフルト郊外の2カ所の野外施設をご紹介します。
まずはフランクフルトの西のタウヌス山地にある遊園地「タウヌスワンダーランド(Taunuswunderland)」です。タウヌスの森の中に恐竜や海賊のオブジェが並び、元々の地形を利用したスライダーや木々の間を抜けるワゴンが園内を走っています。ジェットコースターなどに乗る際は係員が運転操作を行いますが、簡単なアトラクションでは乗客が交代でスタートボタンを押したり、各自譲り合って順番に乗ったりと、セルフサービスになっています。
例えば、大きな浮き輪に乗って坂を滑り降りるアトラクションでは、乗客が自分で浮き輪をスタート地点まで持って行き、レバーを引いてスタートさせます。私も試してみましたが、全自動の機械と異なり、自ら発進することで、スリル感がより助長されました。また、巨大な滑り台やアスレチックなどの遊具も魅力です。滑り台は専用シートに乗って滑り降りることで加速し、着地点が見えないほど傾斜が急なので、独特な浮遊感を味わうことができます。安全バー付きのジェットコースターより、ベルトもなく自分で踏み出す滑り台の方が緊張感がありました。
一方、アスレチックでは地上だけでなく、地下にまで道が続いています。地下には照明がなく、完全な暗闇なので、面白さが一層増します。自然と人工物が共存し、手動と電動が融合したアトラクションが魅力の遊園地でした。
光のない地下道へと繋がっているタウヌスワンダーランドのアスレチック
続いてご紹介するのは、同じくフランクフルト郊外にある「ヘッセンパーク(Hessenpark)」という野外博物館です。入口へと続くマーケット広場には木組みの建物が並び、19世紀初頭の石釜で焼かれたパンやチーズなどを売る店があります。石畳の道を進み、園内へ入ると、当時の衣装を着た係員や馬車とすれ違います。ヘッセン州にあったものを中心に、古い建物をそのまま移して再建された建築物の中では、当時の生活を見学、体験できます。私が行った際は、手工業体験デーで、地元で採れた土を用いた陶芸や昔の手法で植物を綯う縄作り、天然石を研磨したペンダント作りなどを体験できました。また、昔ながらの水車を用いた鍛冶や車細工などの職人技、昔の調理器具を使ったお菓子作りの実演もあり、数世紀前にタイムスリップしたかのような気分に。遠過ぎず、近過ぎない過去の生活を生き生きと感じ取れる博物館でした。
ヘッセンパーク内を走る馬車のバス
タウヌスワンダーランド:
www.taunuswunderland.de
※10月27日(日)まで。以降は冬期休園
ヘッセンパーク:
www.hessenpark.de
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。