水と緑の街として知られるハンブルクには、市北部にあるシュタットパークをはじめ、街中のプランテン・ウン・ブローメンなど、市民が憩える大きな公園がいくつもあります。筆者も上記の公園には何度も散歩に行き、季節ごとの花を楽しんでいます。
先日、たまには違う公園にも行ってみようと、ダリア庭園のあるアルトナ・フォルクスパークに出かけてみました。ダリアの季節は7月半ば〜10月の終わりくらいまで。ダリアだけを集めた庭園としては欧州で最も古く、1920年からあるとのことです。現在は1万5000平方メートルの庭園に、なんと600種類以上ものダリアが栽培されているそう。種類ごとに整然と植えられており、私が訪れたころは満開の時期で、色とりどりの花があふれていて、とても美しかったです。一面の花に囲まれるというのは、心が華やぐものですね。中には一輪の花が人の頭ほど大きいものもあって、なんとも豪華でした。
ダリアの花に囲まれて
このダリア庭園を鑑賞するだけでも十分満足なのですが、それはフォルクスパークのほんの一部。公園全体はもっとずっと広く、ダリア庭園を抜けて公園の中心部に向かって歩いていくと、森の中に入っていきます。「ハンブルクの街中なのに、こんなに深い森があっていいのか」と思うほどです。
人通りが途絶えると、自分一人で森の中に迷い込んだような気分になります。しかし、緑の森を抜けると一気に広い芝生が広がり、散歩中のイヌが駆け回っていました。きっとお天気の良い日には、サッカーに興じる人や日光浴をする人などでにぎわっていることでしょう。
こちらの森もフォルクスパークの一部
パーク内には造園学校のための実験庭園やバラ園もあり、散歩をする人の目を楽しませてくれます。公園の広さはおよそ205ヘクタールあり、全体を散歩すると相当な歩行量になりますが、全く飽きることなく歩くことができました。ドイツ人が散歩好きなのは、散歩に適した場所がたくさんあるからかもしれません。子どもたちの遊具やミニゴルフ場もありますので、ご家族連れにもおすすめです。
フォルクスパークはハンブルク西部のアルトナ行政区が管理していますが、このような緑溢れる公共の憩いの場を市中に作るコンセプトは、すでに19世紀の終わりごろから計画されてきたそうです。しっかりとした都市計画のもとに街づくりがされているのは、ドイツならではですね。行政による管理のもと、市民の心身の健康のために公園が整えられ、誰でも無料で利用できるのは素晴らしいと思いました。
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
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