「グルメ」という言葉はすでに市民権を獲得し、ドイツでも様々な料理を楽しむ人が増えてきました。ドイツ人の食事は、元々狩猟民族だったこともあり、今でも肉食がメインですが、港を有するハンブルクは、ドイツの中でも特に魚料理を提供するお店が多い、日本人にとっては嬉しい街です。
ハンブルクの名物魚料理と言えば、ニシンの酢漬けとウナギのスープ。でもこれ、魚好きであっても苦手という人が多いようです。日本人がその名を聞いて想像する味とは違うからでしょうか? 特にウナギのスープは、見た目は透明な金色のコンソメスープのようにさらりとしているのですが、味はこってりと濃厚、しかも干しプラムが入っていて甘酸っぱいのです。食べたことがないという皆さん、どんな味だか想像できなくなってきたのではないでしょうか。一方、日本人の口に良く合うと言われているのが、スペインやポルトガルの魚料理。魚の種類が豊富で、魚介もふんだんに使われています。
ハンブルク港の近くには、スペインやポルトガルのレストランが数多く軒を連ねていますが、今回はSchanzen地区にある「La Sepia」という人気レストランをご紹介しましょう。Sepiaとは、イカやタコの墨のことで、セピア色の語源になった言葉なのだとか。レストランの壁には、大きなタコの絵が描かれています。店内には、身動きが取れないくらいぎっしりとテーブルが並べられていますが、いつも多くのゲストで賑わっていて、ほかのお客さんと相席になることもあります。ショーケースには様々な海の幸が並べられ、水槽の中ではオマールエビが泳いでいます。日本のいけす料理を彷彿させますが、それほどの高級感はなく、あくまでも大衆的な雰囲気。店内に一歩足を踏み入れると、グリルした魚の香りが充満しています。
常に多くのゲストで賑わうLa Sepiaの店内
多彩な魚料理はもちろんのこと、肉料理もメニューに載っていますが、周りを見渡しても魚以外の料理を注文している人はほとんどいないようです。韓国人客が目立つので、彼らの舌にも合う味ということなのでしょう。
ショーケースに並んだ魚。
見る見るうちに料理されていきます
ここの料理はボリューム満点で、魚の味がしっかり活かされていると評判。私が頼んだ魚介のパスタにしても、殻付きのエビやムール貝、アサリをはじめ、魚介が盛りだくさんで、その味がパスタにもしっかりと染み込んでいました。さらに嬉しいのは、ランチタイムが17:00までと長く、お値段もとてもリーズナブルなこと。魚料理が恋しくなったときに思い出し、足を運びたいレストランです。
La Sepia
Schulterblatt 36, 20357 Hamburg
TEL: +49 40 4322484
オープン:月~日12:00~翌3:00
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?