5月から8月にかけてハンブルクの街角には毎年、イチゴの形をしたスタンドが出現します。そこで販売されているイチゴは、ハンブルクの北東に位置する、デリングスドルフ(Delingsdorf)の農場で収穫された、産地直送のフレッシュなものです。
そのイチゴ農場を営むグランツ・ファミリーは、農場主として300年以上の歴史があり、1961年から現在の場所でイチゴに特化した栽培を始めました。今ではイチゴだけでなく、ラズベリーやホワイトアスパラなどの果菜類、もみの木やヒマワリなどの花も栽培しています。
そしてこのデリングスドルフの農場に隣接する直営レストラン「Glantz & Gloria」では、旬の味覚が楽しめます。イチゴの季節は、ケーキ、アイスクリーム、フルーツパンチ、カクテルなど、多種多様なイチゴメニューのオンパレード。中でも太陽の恵みがぎっしり詰まったフレッシュなイチゴをふんだんに使ったケーキは、素材の味が存分に活かされていて、申し分のない美味でした。ドイツのケーキなのでとんでもなく大きくて、運ばれてきた時には「食べ切れるかしら?」と思いましたが、ジューシーな味わいのイチゴだったのでペロリと平らげてしまいました。
レストラン内の様子。ほぼ満席です
イチゴぎっしりのケーキ。ほかにも色々な種類がありました
そのほか農場で採れるアスパラも、このレストランのおすすめです。イチゴやアスパラ以外の季節でも「料理鍋には、農場から新鮮なものを」をモットーに、近隣の地域で収穫される、季節の材料を用いて、ジビエやカモなどの郷土料理を提供しています。霜が降りる時期には、グリュンコール(ケール)を使った料理がいただけます。また、畑の収穫が少なくなる1月~3 月は魚料理がメインになるそうです。
レストランの建物は、1818年に建てられた木の素材を活かしたトラディショナルな雰囲気。落ち着いていて素敵でした。週末は混雑するようなので、予約したほうが良いでしょう。ここで、結婚式やパーティーを開くこともできるそうです。
レストランの隣にはマルクトがあり、シーズンに従って収穫される新鮮なアスパラ、イチゴ、ラズベリーのほか、ジャムやジュース、ワインなどさまざまなイチゴ製品が販売されています。自分で農場に出向き、粒ぞろいを摘み取るイチゴ狩りもできますので、ぜひお試しあれ。
電車では少しアクセスしにくい場所にあるため、車で行くのがベター。広大な駐車場も完備されていて便利です。敷地内には、ガーデニング用品やインテリアの素敵なショップもありました。子供達の遊び場(なんと滑り台がイチゴの形をしています)もあり、家族そろって出かけるのにおすすめのスポットです。
Hamburger Str.2b, 22941 Delingsdorf: www.glantz.de
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?