商人の町ハンブルクは、市庁舎を建設する際に、それと対をなすように、中庭を挟んで商工会議所を建設しました。この建物の中に、ハンブルク・ウェルカム・センターが入っていて、ここでもビザ取得手続きができます。この商工会議所を会場に、月に1回無料のコンサートが行われているという情報を得ました。お昼の時間帯(12:30~13:00)に開催されるので、「ランチコンサート」というタイトルが付けられています。商工会議所とハンブルク室内芸術協会との共催で、毎月いずれかの木曜日に開催されています。
堂々たる構えの商工会議所
早速出かけてみると、商工会議所の中にコンサート用の小ホールがあるのかと思ったら、証券取引アーケードが会場でした。柱がたくさんあって、その柱を囲むようにしてベンチ席があります。面白い造りですが、反響板がないのに柱があるため、音響的には残念に思いました。もちろん、コンサートのためのホールではありませんから仕方ありません。その隣に天井の高い広めの部屋があったので、「そちらの方が、音響が良いだろうに」と思いましたが、そうするとコンサートの度に、職員が椅子を並べる必要があるので、今のスタイルになっているのでしょう。
柱の周りや地面に座る聴衆たち
開始10分前には大体のベンチが埋まり、後からやってきた人の中には地面に直接座り込む人も。「ランチコンサート」と銘打ってあるので、お昼休みのビジネスマンたちが昼食を持ってやって来て、BGMのように楽しむコンサートかと思っていたら、演奏が始まると一瞬で静まり返り、本格的なクラシック・コンサートで、びっくり。その日の演奏曲目はブラームスのピアノトリオ(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)ロ長調で、1曲が40分くらいかかる大曲でしたし、演奏者はプロのオーケストラ団員や音大の客員教授でした。聴衆は、息の合ったダイナミックな演奏に聴き入っていました。今回で378回目とのことでしたから、こんなすてきなコンサートを今まで知らなかったなんて不覚でした。
会場は扉もなく、オープンな空間なので、商工会議所を訪れる人や、職員の方々も時々通り抜けて行きます。でも皆さんコンサートに配慮して、足音を立てないように静かに歩いて行かれました。この辺りに、ドイツ人の音楽に対する敬意を感じます。このランチコンサートに興味のある方は www.hk24.de/lunchkonzert をご覧ください。これからの日程とプログラム、演奏者のプロフィールが載っています。ピアノ連弾、木管トリオ、声楽など、さまざまな室内楽が楽しめるようです。
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
www.nd-jcf.de
www.facebook.com/ndjcf