私がライプツィヒに引っ越してきたのは2016年、ライプツィヒのSocial Impact Labの社会起業家支援プログラムに子どもの食育プロジェクトが採択されたことがきっかけでした。それから9年。ひょんなことから、また社会起業家支援プログラムに参加することになりました。
SINNKubator キックオフの集合写真
この数年、パートナーが高齢者の生活の質を良くするためのサービスや調査を行いつつ、Impact Hubという社会起業家を支援するための国際的なプラットフォームのライプツィヒオフィスでアルバイトしていました。そのなかで、「SINNKubator」(シンキュベーター)という、ザクセン州で社会的イノベーションを推進するための支援プログラムがあることを知りました。
2024年9月から始まった3カ月間のプログラムに、私はパートナーのプロジェクトのプログラマーとして参加しました。プロジェクトの内容はというと、高齢者の話し相手になる、フレンドリーな見た目の木製チャットボットを作るというものです。
ザクセン州各地で開催されるイベントでは、街の魅力も満喫できます
SINNKubatorには二つのフェーズがあります。私たちが参加したのはフェーズ1で、ここではアイデアを練って、プロジェクトに必要な知識とスキルを学ぶことができます。キックオフから始まり、社会起業に関するワークショップ、プロジェクトに合うメンターやコーチとのセッションもアレンジしてもらえました。また、ライプツィヒとドレスデンにあるImpact Hubのコワーキングスペースも使えます。
プログラムに参加するなかで、最新の社会起業に必要な知識を学べました。またザクセン州内のドレスデンやライプツィヒといった大都市だけでなく、小さな街でもイベントが開催され、長らく住んでいる同州の魅力を再発見できたのも良かったです。例えば、SINNKubatorのキックオフは、繊細なレース刺繍が有名なプラウエンで開催。初日のセッションが終わった後には、主催者が街歩きのツアーに連れて行ってくれました。
SINNovationfestで、自分たちのプロジェクトをプレゼンしました!
先日、SINNKubatorの卒業証書が届き、3カ月のプログラムを修了したうれしさがあらためて込み上げてきました。日々仕事をしたり、プロジェクトを進めていたりすると、ついつい視野が狭くなりがちです、こうしてプログラムに参加すると、視野や人的ネットワークが広がるように感じます。
自分たちにとって良い経験になったので、実装段階となるSINNKubatorのフェーズ2にも応募したいと、パートナーと話し合っています。人の役に立つことをしたいけれど、どう始めてよいのか分からないという人や、社会起業について学びを深めて起業してみたいという人には、とてもおすすめです。お住まいの州でも似たようなプログラムがあるかもしれないので、興味のある方はぜひ探してみてください。
SINNKubator:https://sinn-sachsen.de
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。